また、他人のために使うお金も、幸福度を高める効果が期待できる。カナダにあるブリティッシュコロンビア大学のララ・アクニンは、世界中の23万人に、直近1カ月の募金の有無と人生の自己評価を聞く調査を行った。すると、国の経済レベルに限らず、他人にお金を使う人ほど人生の満足度が高いことがわかったのだ。友達にプレゼントしたり、旅行でお土産を買ったり、他の人のためにお金を使うことは自分のためでもあるということだ。
一読のすすめ
本書に登場するトピックはどれも、明日から試したくなったり人に話したくなったりするものばかりだ。たとえば、気温が上がると黒い車が売れなくなる、晴れた日には株価が上がりやすいなどのネタは、機会があれば誰かにこの知識を披露してみたくなる。ビジネスや日常生活の課題解決のヒントを得られるだけでなく、日常会話や商談時のネタ集めとしての活用余地も大きい。文体も堅苦しさもなく、さらっと読み進められる。1日1ネタ読んでそれを実践してみたり、人に話してみたりすれば、本書のよさを最大限に引き出すことができるはずだ。
評点(5点満点)
総合3.7点(革新性3.5点、明瞭性4.0点、応用性3.5点)
著者情報
内藤誼人(ないとう よしひと)
心理学者。立正大学客員教授。有限会社アンギルド代表取締役。
慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。ビジネス心理学の第一人者として、実践的な心理学の応用に力を注いでいる。『世界最先端の研究が教える すごい心理学』(総合法令出版)、『いちいち気にしない心が手に入る本』(三笠書房)など著書多数。
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