交代発表から間を置いて、2月13日、4月に昇格する佐藤次期社長らトヨタ新首脳陣が品川プリンスホテルで記者会見した。あえて章男社長は出席せずに、佐藤次期社長とともに新体制で副社長に昇格する中嶋裕樹ミッドサイズビークルカンパニー・CVカンパニープレジデント(60歳)、宮崎洋一チーフ・コンペティティブ・オフィサー(CCO)兼事業・販売プレジデント(59歳)の両氏が登場。加えて、サイモン・ハンフリーズ次期チーフ・ブランディング・オフィサー(CBO)と新郷和晃新チーフ・プロダクション・オフィサー(CPO)の計5人が質疑応答に出席した。

 昨年4月に昇格した3人の副社長はいずれも退任し、中嶋氏・宮崎氏が取締役副社長に新たに就任することで、トヨタの役員陣容は大幅に刷新される。佐藤次期社長は「商品と地域を軸にした経営を実践する体制にした」とし、「次世代EVを起点とし、“EVファースト”の発想で事業の在り方を大きく変えていく必要がある」ことを強調した。

 ちなみに、このトヨタ次期首脳陣が並んで会見したのは品川プリンスホテルだが、現在のトヨタ東京本社ビルを売却後、新東京本社が移る予定の場所も同じく品川だ。

章一郎名誉会長の逝去
グローバル化の礎を築いた名経営者

 くしくも、トヨタ新首脳陣による会見が行われた翌2月14日午後に、豊田章一郎名誉会長が97歳で亡くなった。まるで、章男社長のトップ交代決断を見届けるかのような逝去だった。