大竹伸明・PwCコンサルティングCEOインタビュー【後編】Photo by Kazutoshi Sumitomo

コンサル“ビッグ4”の一角、PwCコンサルティングは「5年後に売上高倍増」の大胆計画を掲げる。長期連載『コンサル大解剖』では、同社を率いる大竹伸明CEOのインタビューの後編として、PwCが注力する「デザイン領域」などでの自前主義を貫くアクセンチュアとは真逆の独自戦略を詳報する。また、大竹氏は売上高倍増に向け、人材の生産性を高めるための肝となる「工業化」と「分業化」について解説する。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)

PwCはアクセンチュアの「自前主義」に対抗!
デザイン領域で深める「真逆」の独自戦略

――PwCコンサルティングがいま注力しているのは、どのような分野ですか。

 新たに取り組んでいく方向はいくつかありますが、その一つが、「デザインコンサルティング」です。

 デザイン領域はアクセンチュアさんなども取り組まれているので、「じゃあ一緒ですね」ってよく言われますが(笑)、確かにアウトプットは似たようなものになりますけど、われわれと彼らの最大の違いは、“外製”なのか“内製”なのかです。

 PwCのグローバルのネットワークでは「コミュニティ・オブ・ソルバーズ(Community of Solvers)」という、顧客や社会の問題解決のためにプロフェッショナル同士が連携していくという考え方があります。スピード、品質の観点でもそうですし、“顧客の選び方”もそれぞれ違う中で、全てをPwCが賄って“独り勝ち”にしていくのが「本当に正しいんだっけ?」ということです。

次ページでは、大竹氏がコンサル絶対王者のアクセンチュアとは真逆の「外製化」戦略のポイントを、自社が抱えるユニークな複数の組織の役割を示しつつ明らかにする。また、「5年後の売上高倍増」のための大幅増員計画の要となる「工業化」や「分業化」の具体的な考え方を解説。テクノロジーの進化などで生まれてきた新たなビジネスを取り込むために進める「第3のチーミング」計画についても語る。