【スクープ】大林組や大成建設が火花の洋上風力・新潟沖に外資が電撃参戦!全6陣営の顔触れPhoto:Stocktrek Images/gettyimages

政府公募の洋上風力発電プロジェクト第2弾コンペでは、新潟県沖のプロジェクトが超激戦区に変貌した。ゼネコン大手の大成建設と大林組を軸に、各陣営が熾烈な駆け引きを繰り広げる中、いよいよライバルも戦慄する“黒船”が打って出る見通しとなった。連載『決戦!洋上風力第2ラウンド』では、黒船の正体を明かすとともに、「死のグループ」の様相を呈する新潟県沖のプロジェクトに参戦予定の顔触れを一挙公開する。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

7事業者が環境アセスメントに着手
新潟県沖が「死のグループ」に変貌

 政府公募の第2弾コンペ(以下、第2ラウンド)の対象である新潟県村上市と胎内市沖の洋上風力発電プロジェクトでは、すでに7事業者が事業化に向けた環境影響評価(環境アセスメント)に着手している。新潟県沖のプロジェクトは、第2ラウンドの舞台となる4エリアの中で、最大の激戦区になる見通しだ。

「新潟は風況が悪いとか拠点港が小さいとか、皆敬遠していたのに。こんな激戦区になるとは思わなかった」。先行事業者として第2ラウンドに臨む予定の企業幹部はそう嘆く。

 新潟県沖が第2ラウンドで激戦区に変貌したのはなぜか。最大の理由は、プロジェクト規模の大きさである。

 洋上風力で発電される電力を送電網で受け入れる最大容量は、秋田県沖の2エリアが33.6万~35.6万kW、長崎県沖が42.4万kW。

 これに対し新潟県沖は70万kWで、第2ラウンドの対象4エリアの中で最も大きい。これは最新鋭の石炭火力発電1基を上回る規模だ。それだけ莫大な電力収入を得られるのはもちろん、風車などの部品調達においてもスケールメリットを出しやすい利点があるのだ。

 こうした事業環境により、ゼネコン、電力会社、総合商社、再生可能エネルギー専業会社がこぞって新潟県沖のプロジェクトに参戦。第2ラウンドにおいて、もはや新潟県沖は「死のグループ」と化している。

『【スクープ】大林組と大成建設が洋上風力・新潟沖でガチ対決!乱入した超大物助っ人の正体』で詳述した通り、各陣営は必勝体制を敷くべく、水面下で熾烈な駆け引きを繰り広げている。

 そこへ、いよいよ“黒船”が電撃参戦する見通しになったことが、ダイヤモンド編集部の取材で判明した。

 次ページでは、新潟県沖に打って出る黒船の正体を明らかにする。さらにダイヤモンド編集部の独自取材によって明らかになった、新潟県沖の洋上風力発電プロジェクトに参戦予定の顔触れを一挙公開する。出方が注目されていた三井物産や住友商事などの総合商社に加え、大阪ガスや外資系エネルギー大手はどんな陣容で決戦に臨むのか。