西村優菜は「実力」と「将来性」の2項目で高評価だった。

 西村は高校生までのジュニア時代は、日本ゴルフ協会(JGA)が毎年アマチュアの有力選手を選抜する「ナショナルチーム」のメンバーとして、吉田優利や安田祐香らと活躍した。

 昨秋に米女子ツアーに参戦するためツアー予選会を受験し、限られた試合数ながら出場権を獲得した。来年のフル出場を目標に挑戦中だ。

 西村はツアーでは最も小柄な選手。プロフィールでは身長は150センチメートルだが、テレビのスポーツ番組で身長を実測したところ、149センチメートルだったことでも話題になった。

 堀琴音は、「実力」や「プレーの安定度」がほかの項目を上回った。

 高校生の頃からツアーに多数出場した堀は、優勝には手が届かなかったものの、周囲の期待を集めてプロ入りした。当初、東芝と所属契約を結ぶなど有力視されていたが、なかなか優勝できずスランプに陥った。コーチを代えて復活した。

 姉の堀奈津佳もツアー2勝を挙げている。姉妹でツアー優勝を挙げているのは、福嶋晃子・浩子らわずか3組しかいない。前出のカメラマンは「打った後に首をかしげたりと、飾らない雰囲気が魅力なのだろう」と話す。

 尾関彩美悠は、「将来性」の項目が高評価となった。03年生まれの尾関は渋野日向子と同じ岡山県の出身だ。

 女子アマチュアゴルファーの日本一を決める日本女子アマチュアゴルフ選手権のタイトルを獲得し、プロテストにもトップ合格するなど、同学年の選手の中で実力はずぬけていた。

 だが、先に同期の川崎春花が四大大会の一つである日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯で優勝。祝福すると同時に悔し涙を流して発奮、翌週にツアー初優勝を遂げた。その後、川崎はツアー2勝目を挙げ、同期のライバルとの切磋琢磨が続く。

 後編の本特集#12『渋野日向子、吉田優利、稲見萌寧…Z世代の人気女子プロ10人の「真の実力」を独自評価【後編】』では、渋野日向子、吉田優利、稲見萌寧ら5人の実力を紹介する。

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