まずは、グプタCOOが今株主総会をもって退任・退社することが決まったが、内田議長はこの件に関する質問に対し「Nissan NEXTの事業構造改革に貢献してくれたグプタ氏は次のステップに向かう」との発言にとどめた。質問者の「グプタ氏に、この4年間を振り返って話してもらいたい」という問いかけにも無視するかのように、グプタ氏から一切の発言はなかった(発言させなかった)。
そもそも、現在53歳のグプタ氏は、インド人でホンダ現地法人に採用されて頭角を現しその後ルノーに転じた人物であり、日本語も堪能で「切れ者」と知られてきた。
2019年6月に日産と三菱自動車工業が資本提携した際、COOとして三菱自工に送り込まれたが、19年12月に日産の西川廣人前社長が辞任し内田体制がスタートしたタイミングで日産COOに呼び戻された。そして、これまで内田社長の右腕として事業構造改革の旗を振ってきた逸材だ。
5月11日の23年3月期連結決算発表では、内田社長と並んでグプタCOOもいつものように発言していたが、翌12日に突然日産は、6月27日の定時株主総会でグプタ氏が任期満了で取締役を退任すると発表したのだ。
さらに6月16日にはグプタCOOが27日付で退社すると発表するとともに、グプタCOOの取締役退任を巡る内部告発など、自社ガバナンスに関連する報道や情報管理について第三者機関による調査を進めていることも明らかにした。どうも日産経営陣に内紛があったようだ。