ChatGPTによる破壊的イノベーションの影響が大きくなりそうなIT業界。NTTデータ、日立製作所、NECなど、大手ITベンダーは軒並み全面対応を表明済みだ。ChatGPTをうまく使えば、専門外の人でもプログラミングすることが可能になりつつある。さらに、これまで資料や設計図が残っておらず、更新が不可能だった塩漬けレガシーシステムを刷新することも可能になりそうなのだという。特集『コピーですぐに使える!ChatGPT100選 職種別・業種別・部署別』(全32回)の#18では、IT業界やシステム構築の現場でのChatGPT活用事例を見ていこう。NECが実際に使っているプロンプトも紹介する。(ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)
ITベンダーのChatGPT活用と対策は?
社内業務のみならず本業SI事業への影響は必至
NTTデータ、日立製作所、富士通など、大手ITベンダーは軒並み生成AIへの全面対応を表明している。中でも本腰を入れているのがNECだ。
NECでは生成AIの活用組織をCIO(最高情報責任者)の直轄で立ち上げ、マイクロソフトのAzure OpenAIをNEC用にカスタマイズした独自システム「NGS」を開発。5月からいままでに2万人が利用しているという。
すでに総務・経理部門や営業部門などにも利用されている。管理職研修のプログラムの中に「AIからフィードバックを受ける」ことを含めるなど、その取り組みは全方位的だ。NGSには、場面に応じた用途をプルダウンメニューから選ぶだけで、ChatGPTのプロンプト(指示文)が自動生成される「プロンプトパッド」という機能もあり、より効率的に生成AIを使える仕組みがシステムとしてできている。
生成AIの活用効果が最も大きい分野の一つがプログラミングだと言われている。これまでは下請けなどが担当していた単純作業が自動化できるだけではない。これまでは難しかった、昔に構築されたシステムの中身を解きほぐしたり、すでにエンジニアがいない古い言語を現代語訳したりすることにも役立つとみられている。
具体的にはどのように使われるのか。次ページから見ていこう。NECが実際に使っているプロンプトも紹介する。