対話で分かる地政学#2Photo:THEPALMER/gettyimages

地政学の本質を理解するための最初のポイントは、マクロの視点で世界を捉えることだ。大きな地図から浮かぶ世界観を通して、各国の振る舞いを読み解くことができる。特集『対話で分かる地政学』(全14回)の#2は、地政学の“第一人者”である奥山真司氏が地政学の基本その1を分かりやすく解説する。(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希、監修/地政学・戦略学者 奥山真司)

「週刊ダイヤモンド」2023年10月21日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。登場人物は実在の専門家を除き、架空の設定です。

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コロッケ値上げの理由は?
地政学は「悪魔の学問」!?

母:大屋 恵(めぐみ)

 なんだかひょんなことから地政学を学ぶことになったわね。

次男:大屋 陸(りく)

 インターネットで少し調べてみたんだけど、地政学って、「悪魔の学問」と呼ばれることもあるみたいよ。

講師:奥山真司(おくやま・まさし)

奥山 おじいさん!このコロッケ、おいしいですね!

祖父:大屋 明(だいや・あきら)

 そうじゃろう~。駅前の総菜屋の名物なんじゃ。ただ、ここのところ値上げされて、年金生活者にはきついわい。

次男:大屋 陸(りく)

(もうすでに三つも食べているのに……)

講師:奥山真司(おくやま・まさし)

奥山 実はそのコロッケの値上げの理由の一つには、ロシアのウクライナへの侵略があります。地政学の視点で見ていくと……。

次男:大屋 陸(りく)

 先生!その前に、地政学って悪魔の学問なんですか。悪魔って、なにか悪魔崇拝の秘密結社が存在していて、ロシアのプーチン大統領が操られているとかそういうことですか?