池田大作氏、死去
「伝説」を継ぐ者は誰か
創価学会の第3代会長で、同名誉会長として知られる池田大作氏が、老衰のため亡くなった。享年95歳だった。
戦後すぐの時代から、その後の高度経済成長期、そしてバブル期と、日本経済の成長と歩調を合わせるように躍進した創価学会(以下、学会と記述)の指導者として知られた池田氏亡き後、学会はどう変わっていくのだろうか。
未入信、無信心ながらも、時に「学会の東大」と呼ばれる創価大学に合格し、大学院まで計6年間、「創価の学び舎」で学んだ経験を持つ筆者が、学会流に言えば“外部”(学会の外、一般人の意味)の視点から、池田名誉会長亡き後の学会の動きを予測したい。
宗教とはコンテンツだ。人は誰しも幸せになりたいと願う。そのために何をすればいいのか。その実践すべきことや考え方、これが宗教の教義である。この教義を説いたのが、世にある数多の宗教の宗祖といえよう。仏教に限ってみても、親鸞、空海、そして学会が宗祖とする日蓮もまたしかりである。
これら日本史の教科書に出てくる仏教の宗祖たちを、現代に置き換え、ビジネスに準えてみると、セミナー講師という職業に近いものがある。宗祖自身が説く、教義(コンテンツ)を、宗祖やその弟子筋の者(タレント)が伝え、信者(ファン)を獲得し、お布施(収益)を得るというものだ。広い意味ではコンテンツビジネス、とりわけ芸能にも似た興行である。
この宗教を1セミナー1講師による個人事業から、高度な組織化による大規模なコンテンツビジネスへと系統立てていったのが、戦後すぐの時代から急躍進した学会であり、その立役者が池田大作氏、その人である。