そのため「黒子である」という思いは秘めながらも、少しずつ表に出していこうということで今回、黒の色を基調にステートメントやロゴを変えることにしました。

リニューアルしたジャフコグループのロゴ
リニューアルしたジャフコグループのロゴ

──もともと御社は野村ホールディングスの子会社としてスタートしていますが、2017年に独立し、2018年に会社組織型からパートナーシップ型に移行するなど、ここ数年で変わってきている印象があります。何か変化のきっかけがあったのでしょうか?

北澤:リーマン・ショック以降、手法や形を含めて色々と変え続けています。ただ、ここ数年でより変化を加速させるきっかけとなっているのはベンチャー市場の変化です。

年々、ベンチャー市場が高度化していますし、大企業も参入するなど市場が成熟化していっています。その中で自分たちの立ち位置を明確にしないといけないですし、ジャフコ自身が形を変えていかないとベンチャー市場自体が盛り上がらない、という思いがありました。

藤井:ジャフコはまだ日本にストックオプションの仕組みがなかった時代に「分離型ワラント社債(2002年4月の商法改正で新株予約権制度が創設され、新株予約権付社債という名称に統一された)」を開発し、ストックオプションの先駆け的なことをやったり、日本で初めてファンドの仕組みを使って“投資事業組合”という現在のVC形をつくったりしました。

日本にまだVCという業種がなかった時代から、試行錯誤を繰り返しながら日本の形に合わせてVCというものをつくってきたんです。

人材についてもそうです。世の中にベンチャーキャピタリストがいなかったので、自分たちで育成していかないといけないと思い新卒で採用し、多くの人材を輩出してきました。それらはすべて「起業家の役に立ちたい」という発想のもとで動いています。

北澤:ジャフコは起業家をどうにか支えたい、どうにか関わりたいという点にこだわっています。そういう思いでずっとやっていますし、時代と共に形も変えてきています。

愛をもって、足を使って泥臭く起業家を支援する

──昨今は起業家から選ばれるために資金以外の機能を提供するVCも目立ちます。そうした中、ジャフコはどういった手法で起業家を支えているのでしょうか?

藤井:リード獲得に課題を感じている企業があればウェビナー(オンライン上で実施されるセミナー)を開催したり、投資先に人材を紹介したりしている。例えば、今でもハイクラス転職サイト「ビズリーチ」のデータベースをたたいて人材を検索していたりします。