HRBrainではこれまでに約12億円を調達済み。エクイティによる累計調達額は約22億円となる。なお今回同社に出資した投資家陣は以下の通りだ。

  • Eight Roads Ventures Japan
  • 第一生命保険
  • SMBCベンチャーキャピタル
  • AGキャピタル
  • SCSK

累計約1000社が導入、クラウド化で人事評価管理をシンプルに

HRBrainはサイバーエージェント出身の堀浩輝氏が2016年3月に立ち上げた。堀氏が前職時代に行っていた目標管理・人事評価の手法をクラウド化することを目指し、メンバーの目標や評価を一元管理できるサービスとして2017年1月にローンチした。

特徴の1つはさまざまな目標管理のフレームワークをテンプレート化して保有していることだ。顧客企業はMBOやOKR、1on1、Will Can Mustなど自社にフィットした目標管理手法を取り入れてすぐに運用を始められる。

目標管理に関するフォーマットを多数用意。今まで目標管理制度がなかったような企業でも、自社にあった手法をすぐに導入できる
目標管理に関するフォーマットを多数用意。今まで目標管理制度がなかったような企業でも、自社にあった手法をすぐに導入できる

そもそも社内に目標管理の仕組みが存在していなかった企業であっても、最初から「一流企業が使っているような勝ちパターン」とも言える標管理手法を導入することが可能。社内で何らかの目標管理手法を取り入れている企業であれば、従来のやり方を変えることなくクラウドに移行できる。

テンプレートの拡充には以前から力を入れており、“世の中の大抵のフォーマット”に対応できるようになったことが、多様な現場で導入された要因だという。

またHRBrainを使うことで目標・面談シートにいつでもアクセスできるようになるほか、過去のログが見やすい形でストックされていく点もポイント。デジタル化することで、時間のかかっていた集計作業などが自動化・効率化される効果もある。このあたりの機能はアナログな手法と比較した際の大きなメリットと言えるだろう。

HRBrainのダッシュボード
HRBrainのダッシュボード。メンバーごとのステータス、必要なアクションなどが画面上に可視化される

コロナ禍で加速した人事領域のDXニーズを取り込む

堀氏の話では中小企業だけでなく、大企業においても人事評価の定番ツールは今だに「Excel」なのだそう。HRBrainの顧客でも何らかの人事評価サービスから乗り換えるケースはまれで、この領域に関しては初めて導入する外部システムになることがほとんどだという。

たとえばExcelで目標管理していた場合「目標を書いて上司に提出し、上司はそこにフィードバックを記載して再度共有する」といった形で、その都度更新や共有の手間が発生する。

結果的に目標管理自体が形骸化して「半年に1回人事評価をしないといけないから仕方なくやっている」状況に陥ってしまう企業も多いという。こうしたディフェンシブな人事評価をHRBrainでは「こなす評価」と呼んでいるそうだ。

「HRBrainを導入すると目標設定から人事評価までのプロセスが整備され、このサイクルをしっかりと回せるようになります。いつでも目標を取り出せる環境が生まれ、上司との面談のログや過去のやりとりも適切な形で蓄積されていくので、現場の業務効率化だけでなく目標達成率の向上にも繋がる。そういった点に価値を感じていただけることが多いです」(堀氏)