想像の3倍以上の寒さを想定して
キャンプにのぞむべし

 冬のキャンプ場は寒い。これは間違いない事実だ。しかも「自分が思っている3倍は寒いと思って、アイテムを用意してください」とたけだバーベキューさんは断言する。

 キャンプビギナーがいきなり極寒の北海道のキャンプ場に行くのは稀だと思うが、温暖な地域でも夜の屋外の寒さはあなどれない。特に焚き火が消えた後は、寒さに震えて眠れないこともあるそうだ。それがトラウマとなり、二度とキャンプに行きたくないと言う人もいるほど。

「だからこそ想像を超える寒さを想定して、対策をするべきなんです。寝袋は価格が高ければ高いほど羽毛が詰まっています。もし余裕があれば、4〜5万円以上がおすすめです。または湯たんぽを用意しましょう。足元を温めるだけでもだいぶ寒さをしのげます。またはダウンベストやジャケットを着たまま寝袋に入ってもいいですね」

 注意したいのは、たき火の煙と火だ。ダウンを外で着ていると、たき火でたちまち煙臭くなってしまう。

「この匂いは強烈で、数日経っても消えないほどしつこいです。お気に入りの一張羅ではなく、気軽に洗濯できるダウンを着たほうがいいです。また、素材が化学繊維だと、飛んできた火の粉で繊維が溶けて穴があくことがあるので注意。匂いは髪の毛にもつくので、ニット帽やキャップもかぶったほうがいいかもしれません」

 再び寒さ対策に話を戻そう。地面からの冷気を遮断するためには、R値(熱抵抗値)の高いマットを敷いて、その上に寝袋や家にある布団を持ってきて敷いてもいい。

 さらにポータブル電源があれば、電気カーペットや電気毛布が使えるので便利だ。しかし、いくら暖かいといっても、石油や薪ストーブの使用はNG。

「僕は薪ストーブをテント内に置き、外に煙突を出して使っています。でも、テント内に煙が立ち込めると一酸化炭素中毒になる可能性があるので、慣れていないビギナーさんは使わないでください」

 なお、キャンプといっても必ず泊まる必要はない。日帰りのデイキャンプならば、就寝時の寒さを心配しなくていいので気楽だし、荷物は少なくて済む。まずは日帰りで試してみて、慣れたら泊まりに挑戦する手もある。

 寒さ対策を万全にすれば、恐れるなかれ。今年の冬は薪とおいしい食材を買い込んで、冬キャンプを楽しんでみては?