乗り合い代理店に選ばれるために
商品開発時に必要な「5つの条件」
「数字から読み解く保険」の前回の記事(『生保業界の主戦場、医療保険はもうかるのか?収益構造を徹底解説』)では、医療保険がもうかる商品であるのかを説明した。
特に終身タイプの終身医療保険は、日本の超高齢化社会の中で今後も極めて高いニーズが想定されるものの、募集現場の販売競争が激し過ぎるため、レッドオーシャン化したマーケットにおいて、保険会社が十分な収益を確保することが難しい状況であることをお伝えした。
では、終身医療保険の具体的な開発方法について今回は解説していく。
【商品開発時の留意点】
保険ショップなどの乗り合い代理店においては、複数の保険会社の保険商品が販売されている。特に2010年あたりから本販売チャネルの販売量の拡大が顕著である。
ところが、冒頭に掲げた2016年に施行された改正保険業法により、複数の保険会社の保険商品を取り扱う乗り合い代理店は、募集時にお客さまニーズに合わせて複数の保険商品を提示して説明する比較推奨義務が生じた。
したがって、このような乗り合い代理店において、新しい保険商品で販売量を拡大しようと考える保険会社は、お客さまにたどり着く前に、まずは当該代理店の要望を満たさないと、提案商品のテーブルに載らないことになる。
終身医療保険の場合、この代理店の要望を満たすためには、主に4つの条件を満たす必要がある。さらに近年では、5つ目の条件も追加されるようになってきた。次ページでは、その条件とは何かを明らかにするとともに、それら条件の中身について詳述していく。