推察するに、私の希望する働き方である(1)フレックス、(2)年収未定(高額でなくていい)と、(3)私の職歴(編集者、大学で進路指導、大学でAI保育をしているからデジタルに強い)を考え合わせて、イメージがマッチする職種をアバウトに選んできたのでしょう。「適当に求人を拾って何か合うものがあれば」という風にデジタル的に分類したのだろうと思います。とても、職歴や履歴をきちんと勘案して決められたとは思えない仕事が多すぎるのです。
現代は人手不足。「とにかく来てくれるなら、どんな人でもいい」と採用の間口が広い会社もたくさんあるでしょうから、こんな紹介方法でも転職産業は成り立つかもしれません。いや69歳だから、「もうまともな採用はないよ」と暗に言われているのかもしれません。
企業を『文春』の取材から守る
危機管理アドバイザーなら適任か?
しかし、ちゃんと私の希望を見れば、反応できる人もいたはずです。
ある会社は「社長に会える」を売り文句に募集をしていました。私は週刊誌出身ですから、取材対応や危機管理のオプション対応なら、多分この年齢でも相当役に立つはずです。ましてや、古巣の『週刊文春』の報道で酷い目にあっている会社はたくさんあります。思い上がっていたかもしれませんが、私はジャニーズ事務所、吉本興業、宝塚、いなば食品など『週刊文春』に叩かれて痛い目にあっている会社の危機管理アドバイザーをオプションでやってみたい、と記してみました。
実は、結構これは本気でした。なぜなら、文春の取材もOBの私から見ると相当ゆるくなっていて、取材対象となる個人や法人が反撃できる手段もあるし、何より私は文春の取材メンバーのことをよく知っています。それに、部下をもう一度鍛えるチャンスだとも思いました。文春に目を付けられる会社にとって、こんなに強力な助っ人はいないはずなのですが、転職サイトからの求人はナシの礫でした。たぶん「社長に会える」なんて、本当はできない程度の人脈しか持っていない会社なのでしょう。
しかし、そこまで書かなくとも、職業履歴書で危機管理アドバイザーを希望職種に挙げているのを見れば、もう少し他社も勘を働かせればいいのに、それに近い話しが一つか二つきたくらいで、残念ながら声はかかりませんでした。まあ、「古巣とケンカするのが愉しいか」「そんなことまでしてオカネが欲しいか」と言われるのもイヤですから、声がかからなくてよかったかもしれません。