千日詣り清水寺「千日詣り」期間中の夜間ライトアップ(左)と境内に掲げられる提灯(右)
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他にも見逃せないお盆のイベント

「京都五山送り火」と同じ16日の夜、渡月橋の南のたもとにある嵐山中之島公園(京都府立嵐山公園)で「嵐山灯籠流し」が行われます。阪急嵐山線・嵐電嵐山本線「嵐山」駅からいずれも徒歩6分ほどです。午後7時になると、無数の灯籠が桂川の川面を照らしながらゆらゆらと流れていく様子が見られます。

 故人を偲(しの)びたいときは、正午から午後8時半までの受付時間内に灯籠1基を求め、水塔婆に弔いたい方の名前と自身の名前を書きます。「○○家先祖代々」だけでもOK。書き終えたら、祭壇に水塔婆を供え、ご焼香を。灯籠は、自分で流すのではなく、係の人が預かり組み立てて流してもらうスタイルです。灯籠流しそのものも幻想的ですが、嵐山では、午後8時20分に点火される五山送り火のフィナーレ「鳥居形」と灯籠流しを同時に眺めることができるのも魅力です。

 前回、平安京の三大葬送地である鳥辺野について少し触れました。その鳥辺野の北側に立つのが清水寺(東山区)です。8月9日から16日までの間「千日詣り」が行われ、通常非公開の本堂内々陣が特別拝観できます。千日詣りとは、観音信仰において、最も功徳が得られる日とされています。清水寺のご本尊は十一面千手観世音菩薩。この日お参りするだけで1000日分参詣したのと同じ功徳が授かれるという、スペシャルデー。14~16日の3日間は、拝観時間も延びて、夜間拝観も可能となります。

 京都市内最高峰の愛宕山(標高924m)の山頂に鎮座する愛宕神社(右京区)でも、今年は7月23日~8月1日に千日詣りが行われました。

 清水寺から北へ10分。産寧坂、二年坂、ねねの道を経て、豊臣秀吉の正室である北政所ねねが、秀吉公の菩提を弔うために創建した高台寺(東山区)へ。8月1日から秀吉公の命日に当たる18日まで、夏の夜間特別拝観(午後9時半受付終了)中です。

 高台寺は、秋には行列必至の紅葉ライトアップの名所として知られます。夏のライトアップでは、およそ900の提灯(ちょうちん)がいざなう参道を上がり、カエデや竹林の深い緑色が夜空に浮かび上がる境内をそぞろ歩くことで、夢幻の世界にいるような気分になれますよ。清水寺と併せて、ぜひ訪れてみてください。 

【本文で紹介した名所ほか関連リンク集】
京都五山送り火(京都五山送り火連合会) 嵐山灯籠流し  清水寺  千日詣り(清水寺) 愛宕神社  高台寺 ※( )は遷移先のページ