デジタル給与は低所得層を対象とした
マイクロファイナンス市場を活性化させる

 さて、まずはどのような市場が誕生するのかについてお話ししたいと思います。

 デジタル給与については2年前に詳しい解説記事を書きました。

 詳細は『デジタル給与解禁、異業種参入を許す銀行が「実は大歓迎」かもしれない理由』に譲りますが、要点をお話しすると、もともとはこのデジタル給与はアメリカのペイロールカードと類似した制度を模索したところから始まったものです。

 アメリカでは銀行口座開設が難しい方々がいます。銀行が最低残高を設定していてコストがかかる低所得者層をはじいているのです。

 そういった方々の給与はペイロールカードというクレジットカードに似たカードに振り込まれます。生活保護を受けている人も同様です。事業者としてはウォルマートが有名です。

 日本では低所得者層も銀行口座開設ができますが、銀行から見れば儲からないのであまり良いサービスを提供してくれません。

 そこで、デジタル給与を通じてウォルマート的なビジネスを展開できるチャンスが銀行以外のプレイヤーに生まれます。