鉄道主軸のビジネス構造から
生活サービスとの2軸へ
JR東日本は2024年度事業計画で、新幹線及び在来線定期外の輸送量はコロナ前と同等の水準まで回復すると見込んでいるが、定期利用は80%の水準のまま戻らない想定だ。
駅・運転業務の省力化、保守作業の合理化など、鉄道オペレーションコストの削減を進めており、2027年度までに対2019年度で1000億円の削減が目標だが、2023年度末までに830億円の削減を達成しており、今後4年間の削減見込みは170億円にとどまる。
こうした状況を受けて喜勢陽一社長は2024年4月30日の「2024年3月期決算および経営戦略説明会」で次のようなあいさつをしている。
「これまでのビジネスモデルは、鉄道を主軸として構築してきました。安全が経営のトッププライオリティであることにはいささかの変化もありませんが、安全を堅持する中で、鉄道を中心としたモビリティと、お客さまとの幅広い接点を持つ生活ソリューションの2軸によって支えられる、そしていかなる経営環境の変化があってもサステナブルに成長を続け、皆さまのご期待に応えていけるビジネス構造を作っていきたいと考えています」