特に、女性の発達障害は特性の現れ方の関係で、男性の発達障害よりも目立ちにくく、気づかれにくいという特徴があります。そのため、大人になってから発覚するケースが少なくありません。

職場や学校などの身の回りにこんな人はいませんか?
イライラする前に理解しよう!

 特定の対象に強いこだわりを持ち、相手の様子から感情を読みとることが苦手で、相手の言葉を額面どおり受け止めてしまいがちな「自閉スペクトラム症(ASD)」の人。気が散りやすいため忘れ物や紛失が多く、落ち着きがなくじっとしていることが苦手で、考える前に行動してしまう「注意欠如・多動症(ADHD)」の人。こうした特性を持つ発達障害の人は、定型発達の人からすると驚くような言動をすることが少なくありません。

 いわゆる「空気が読めない人」「ちょっと困った人」と捉えられてしまいますが、それは多数派である定型発達の人たちの“普通”が基準になっているからに過ぎません。その基準をもとに、そういった人たちの言動にイライラしたり、怒ったり、呆れたりする前に、彼らが「なぜそういう言動をしてしまうのか?」を理解することができれば、きっと違った接し方ができるはずです。

 発達障害の人も、自分の基準とは異なる定型発達の人の言動に対して、少なからずストレスを抱えています。お互いがその違いを理解できれば、相手を尊重してともに歩んでいくことができるはずです。

せっかちでいつもイライラしている人
多動性・衝動性がせっかちにさせる

 いつも何かに急き立てられているように気ぜわしく、ちょっとしたことでカッとなったり、イライラしたり。こんな怒りっぽい人、あなたの周囲にもいませんか?

 もしかしたら、注意欠如・多動症(ADHD)の多動性や衝動性に起因する「せっかちさ」がそうさせているのかもしれません。