例えば9月1日に契約、9月30日決済・引き渡し、だったが、9月15日にリーマンが破綻、こういう契約を「リーマン跨ぎ」といっていた。そのほとんどは「経済情勢の著しい変化」を理由に解約された。そのために資金繰りがつかず倒産した企業もいくつかあった。

 11月28日、東証2部上場の不動産開発会社、モリモトが民事再生手続き開始を申請した。負債総額は1615億円で、2008年に倒産した上場会社としてはアーバンコーポレイション(2558億円)に次ぐ負債規模だった。この年、倒産件数は戦後の最悪記録を更新し続け、帝国データバンクによるとモリモトの倒産は2008年では31社目の上場企業の倒産だった。

 この時、ぞっとしたのはその破綻の理由だった。モリモトは2008年2月に上場したばかりだったのに、監査法人が「意見書を書けない」と突き放したのだ(意見書の「意見」とは、監査法人などの会計監査人が、企業が作成した財務諸表などが企業会計の基準に準拠して適正かどうか監査した結果について、監査報告書に表明する意見のこと)。