どんな時に
気持ちが揺らぐか
マダネ プロジェクトのオンラインサロンでの出会いをきっかけに、現在、仲間と5~6人で民家の一室を借りて3カ月に1回のペースで読書会を開催している。読書会では子どもがいない女性の生き方の参考になる本、励みになる本を共有し、学び、対話する。
「自分も社会の流れの中の一人であり、社会の問題を背負っているのだと気づくと、これまで感じてきた生きづらさの背景に社会の見えない圧もあったのだと気づくことができました」
子どもがいないことに悩み、その課題を乗り越えるタイミングは人によって異なるし、長い時間がかかる人もいる。
「女性たちが子どもがいる、いないで分断されるべきではないと思います。その壁を取り除くためにはどうすればいいか、考え続けたい」
子どもを持たないと決意した人であっても、ケイコさんのように、なにげないシーンで苦しみを感じている人もいる。マダネ プロジェクトが2020年、235人を対象に「どんなときに気持ちが揺らぐか」をアンケート調査したところ、次のようなケースが多かった。
・友人や身内など近しい人が妊娠・出産したとき
・芸能人などの高齢出産のニュースを聞いたとき
・子どものいる集まりに参加したとき
・街で小さな子どもや赤ちゃんを見たとき
・職場で産休・育休をとる人がいたとき
・出産シーンや赤ちゃんが出てくるテレビを見たとき
・夫(パートナー)が子どもと遊んでいるのを見たとき
思いもよらない時に、胸を痛めている人がいるかもしれないと想像してみよう。子どもを持たないという人生の選択肢を社会が受け入れてこそ、子を持つ人と持たない人との分断をなくし、世界の見え方を広げることができるのだと思う。
次回は、家族の介護を経てめいの子育てをし、結果的に子どもを持たない人生を歩むことになったじゅんこさんと夫のRさんの物語をお届けする。