不動産業界はコロナ禍の影響を比較的受けなかった。不動産市況は落ち込まず、都心の新築マンションは普通のサラリーマンには購入が難しいほど高値となっている。だが、不動産業界の負債依存度は高い。特集『倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング』の#18では、金利上昇懸念が高まる中、倒産危険度ランキングの不動産業界版を作成。業種別で最多となる75社が危険水域に入った。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
忍び寄る金利上昇の懸念
不動産市場へのダメージは大
足元で国内の不動産市況は堅調だ。海外と比べて低い金利に円安の追い風もあり、国内外の機関投資家が不動産投資を拡大している。コロナ禍の影響もあまり受けず、都心の新築マンションは普通のサラリーマンには購入が難しいほど高値となっている。
だが、大きな懸念材料がある。金利が正常に機能する世界に向けて、日本銀行が4月にもマイナス金利解除に動くとの見方が根強いのだ。
今後、ゼロ金利解除、利上げへと段階的に進めば、不動産市場に与えるダメージは大きい。また、販売用不動産を保有する不動産会社は有利子負債が大きくなりやすく、金利の上昇は収益の悪化に直結する。
そこで、ダイヤモンド編集部は今回、不動産業界の倒産危険度ランキングを作成。その結果、75社が“危険水域”に入っていることが判明した。17業種別では最多となった。
大手不動産では東京建物がワースト10位となった。このほか、財閥系大手もランクインしている。ワースト1位になった不動産会社はどこか。次ページで、不動産業界の倒産危険度ランキングを詳らかにしていこう。