毎月25日に御廟が開かれる「清浄華院」

「清浄華院」(上京区)の総門。すぐ北側には天皇とその勅使のみが通れる勅使門も「清浄華院」(上京区)の総門。すぐ北側には天皇とその勅使のみが通れる勅使門も

 今出川通を西へ進み、高野川と賀茂川の合流地点に架かる賀茂大橋を渡ります。振り返ると、法然上人をはじめ、名だたる僧が学んだ日本仏教の母なる山「比叡山」が一望できます。

 河原町通との交差点を越えたら左に寺町通を下がり、清浄華院(しょうじょうけいん)へ。紫式部の邸宅跡と伝わる廬山寺の北隣に当たります。平安前期、清和天皇の勅願により天台宗第3代座主である慈覚大師円仁が宮中に建立した禁裏内道場が起こりで、後白河上皇が戒師として招いた法然上人の教えに感銘を受け、道場を下賜したことで浄土宗の寺となりました。

 寺の名には「浄土に咲く蓮の花のように清らかな修行ができる場所」との願いが込められているそうです。菊の花の下に葉を添えた寺紋に、皇室とのゆかりの深さがうかがえます。 

 御影堂(みえいどう)には、法然上人が後白河上皇から寺をたまわった42歳の姿を自ら刻んだと伝わる肖像を祭ります。境内裏手の墓地には、法然上人の分骨が納められた御廟があり、毎月25日に扉が開かれます。法然上人二十五霊場第23番札所でもあります。

 今回は三つの大本山をご紹介しましたが、京都市内の「法然上人二十五霊場」には清水寺阿弥陀堂(東山区)や二尊院(右京区)、勝林院(左京区)など他にも10カ寺あります。25霊場すべてを巡拝すると、その証しとして「成満之證」を授かれますよ。