キリスト教主義中堅女子校の情勢

 中堅校の最後に、キリスト教主義の女子校を見ておきたい。カトリック校では、光塩女子学院は、2025年に[1日午後算数1科型]を新設した。周辺に同様の入試が見当たらないことから、志望者数を見ても、新規の需要を開拓する可能性が大きい。他の入試回はいずれも実倍率が2倍に届かず、受けやすくて入りやすい。特に2割半減の[1日午前総合]は24年実倍率が1.27倍で、第一志望の受験生には狙い目だろう。[2日4科]と[4日4科]はどちらも1割半強増えており、25年は1倍台半ばと2倍乗せの勢いだ。

 晃華学園は、ほぼ前年並みの展開となっている。[1日1回]は1割弱減らしているため24年実倍率1.5倍より緩和して、かなり受かりやすくなる。24年に258人が受験した[1日午後2回]は横ばいで25年も1.5倍程度に、微増の[3日3回]も24年実倍率1.77倍を25年は維持しそうである。

 午後入試に特化した恵泉女学園は、[1日午後1回]が微減、[3日午後3回]が前年並みで、25年は24年実倍率の1.77倍と6.76倍をそれぞれ維持しそうだ。[2日午後2回]は3割増で、24年実倍率1.87倍から2倍台半ば程度までハードルは上がりそうである。

 多様な入試を設けている女子聖学院は、四模試での志望者数が少なく、振れ幅が大きいため予想は困難なので、傾向だけ記しておきたい。総じて緩和気味で、25年はいずれも受けやすくなりそうだ。例外は24年実倍率2.41倍の[1日1回]で、25年は3倍を超えるかもしれない。24年受験者が51人で並んだ[2日午後3回]と[3日4回]は、前者の減少幅が大きく25年は1倍台に、後者は2倍程度にそれぞれ緩和しそうだ。[3日午後5回]は前年並みで25年も2倍弱に、[4日午後6回]は3割弱減で1倍台前半が見込まれる。

 [1日午後2回スカラシップ]は24年に72人が受験した主力入試で、実倍率も2.61倍となっているが、志望者数は4割近く減っており、今後の動向を見守りたい。2日の[BaM表現力]と[英語表現力]はいずれも受験者数が1ケタなため、ここでは判断を保留したい。