多摩地区にある中位校
多摩地区の女子中位校は、生徒募集に工夫を凝らしている。世田谷区や杉並区に接する武蔵野市や調布市、狛江市であっても、そのことに変わりはない。
桐朋女子(調布市)はユニークな学校である。系列の男子校がある国立と女子校のある調布でそれぞれ小中高がそろい、調布には女子校の中に共学の音楽コースもあり、桐朋学園大学につながる。募集人数は約220人と中規模だが、これには付属の小学校からの内部進学生は含まれていない。2025年に新設される[1日午後Creative English]は英語1科で、約10分のインタビューが行われる。
[1日A]は、国算の筆記試験と15分間の口頭試問が行われる。志望者数は微増で、24年実倍率1.11倍を25年も維持しそうだ。[2日午後B]は2科か4科の選択だが、志望者数が5割強増えており、同1.1倍が少し上がりそうだ。[2日論理的思考力&発想力]は言語分野と理数分野の記述試験だが、24年に24人受験して、同1.5倍だった。志望者数は少ないものの4倍増えており、25年は2倍に迫るかもしれない。
白梅学園清修中高一貫部(小平市)で、24年に一番受験生の多かった入試回は[1日1回午前適性検査型]で、54人が受験して実倍率は1.08倍だった。適性検査型は三つのタイプ(A:立川国際、B:南多摩・三鷹、C:武蔵・大泉)と都立一貫校にきめ細かく対応している。22人が受験して同1.16倍の[1日午後1回午後2科選択]、同じく12人で同1.71倍の[2日2回午前2科選択]。この他は受験者数が1ケタとなる。志望者数も緩和気味であり、25年も1倍台前半の入試回が多くを占めることになりそうだ。
24年の実倍率が1.5倍を超える入試回がなかった東京純心女子(八王子市)だが、志望者数を見ると、少ないながらも増加傾向にある入試回も目につく。教科型の私立型入試では、23人が受験して1.21倍だった[1日午後2回]、同じく20人で1.33倍の[1日1回]、16人で1.45倍の[2日3回]などが、25年には少し倍率が上がりそうだが、いずれにしても受けやすくて受かりやすい学校であることに変わりない。