新たな道を模索する女子校

 四模試の志望者数がごくわずかで、偏差値がつかないような学校の中には、生き残りのため、新たな道を模索する動きも出てくることになりそうだ。

 武蔵野市との境に近い東京女子学院(練馬区)の2024年の合格者は合わせて39人だった。25年から校名を「英明フロンティア中学校・高等学校」に改称し、男子生徒の募集も開始する。

 小石川淑徳学園(文京区)は、24年4月から校名を変更した。淑徳SCで行った24年入試の受験者数は全入試回を合わせても17人だった。25年の入試は一般入試とスカラシップ入試を3回ずつ、それに適性プレミアム入試を加えた7回が設定されている。志望者はほぼいない。校名変更が募集にどれだけ効果を発揮するのだろうか。

 カナダの高校とのダブルディプロマコースを打ち出した国本女子(世田谷区)は、4回の入試を行う。24年の合格者数はいずれの入試回も1ケタで、合計19人だった。実倍率は[1日1回]1.13倍、[1日午後2回]1.17倍、[3日3回]2倍、[5日午後4回]1.67倍だった。25年もおおむねこの倍率を維持しそうだ。

 藤村女子(武蔵野市)の最寄り駅は、JR中央線・京王井の頭線「吉祥寺」駅である。24年入試では、合格者数合計が31人であり、実倍率1倍の入試回も多い。校名変更や共学化など、さまざまな可能性を今後探ることになるかもしれない。系列に東京女子体育大学がある。

 駒沢女子大学と学校法人を同じくする駒沢学園女子(稲城市)も教科型のほか、英語グローバル、プレゼンテーション型、スカラシップといった多彩な入試を設定している。 [1日1回午前2科4科]が14人と一番受験生が多く、実倍率1.08倍だった。他の入試回はいずれも受験生が1ケタであり、24年の合格者数合計は36人だった。志望者数が特に増えている状況も見られないので、25年も同様の水準が続きそうだ。

 受験者数や合格者数が極端に少ない学校も、やはり新たな手立てを考える必要があると思われる。24年は3回の入試で15人が合格した愛国(江戸川区)、25年も2回の入試を設定している成女学園(新宿区)、そして日本体育大学桜華(東村山市)のいずれも、中学校全体の生徒数が100人に満たない。