23区内の受けやすい中位校
京王本線沿いには、佼成学園女子(世田谷区)と富士見丘(渋谷区)がある。佼成学園女子にも多くの入試回があるが、受験生が100人を超えるものはない。最多の[1日午前適性]は2024年に94人が受けて、実倍率は1.03倍だった。[1日午後適性]や[2日午前適性]も同じくらいの実倍率であり、25年も同様の水準を維持しそうだ。
24年実倍率1.42倍の[1日午前一般]は、志望者数が少ないとはいえ大きく増えているので、25年に2倍を超える可能性はある。高倍率の入試回としては、合格者が1人だけで実倍率41倍となった[1日午後S特待]、合格者2人の[2日午後S特待]の同14.5倍、やはり1人合格の[5日S午後](25年は4日午後)の24倍がある。合格者数が1~2人動けば倍率は大きく低下する。志望者数は増加気味とはいえ、25年の予想は控えたい。
最寄り駅が京王線「笹塚」駅の富士見丘で、最多の受験生を集める入試回は、[1日午後1日一般]の75人である。24年実倍率は1.36倍だったが、志望者数が2倍強になっており、25年は2倍に迫るかもしれない。
保護者同伴の面接もある[1日WILL]は、同じく63人で1.34倍だったが、志望者数は少ないながらも増えているので、1倍台半ばを25年には目指す展開かもしれない。この他の入試回も受験者数は多くないが、24年実倍率1.29倍の[2日AM一般]、同1.59倍の[2日PM一般]、同1.47倍の[3日午後3日一般]あたりは、志望者数が2~3倍に増えているため、25年は軒並み2倍乗せになるかもしれない。23年入試では実倍率1倍という入試回も多かったことを考えると、ここでも中位校人気の力強さを感じさせる。
荒川区には二つの中高一貫校がある。男子校の開成と女子校の北豊島である。24年は5回の入試で77人の合格者を出している。33人が受験した[1日一般]の実倍率は1.1倍で、[1日午後特待1回]が同1.3倍、[2日午後特待2回]が同1.58倍、[5日午後特待3回]が同1.18倍だったが、いずれも人気は増しているので、25年は少しだけ倍率が上がりそうだ。
瀧野川女子学園(北区)はJR京浜東北線「上中里」駅至近なのだが、主力が高校入試にあるためか、4回の入試の合格者数は合わせても15人にとどまる。その多くは[1日1回]で、実倍率は1.78倍となっている。[8日5回]の志望者数が2倍半増えているので、24年実倍率3倍が25年にはさらに高まる可能性がある。