受けやすい山手線内の女子校

 暁星や白百合学園、千代田区立九段中等教育学校と同じエリアにある和洋九段女子は七つの入試回を設けているが、それぞれに複数の試験科目があるため、一般入試だけで19種類を数える。2025年入試は、本科とグローバルの区分けがなくなり、2科・4科に加えて、英語スピーキングや英語インタビューが加わるなど雰囲気がだいぶ変わった。

 注目は、24年に全入試回最多の75人が受験し、実倍率1.25倍だった[1日午後2回本科]の枠で、志望者数が3割増えている。25年は得意科目入試となり、国語と算数か社会か理科の2科選択、英語インタビュー、プレゼンテーションと5種類の入試科目が設定されており、より受けやすくなりそうだ。22年には1.07倍だったことを考えると、中位校人気を感じる。

 他に、志望者数8割増で24年実倍率1.17倍の[3日午後5回本科]と、同3割増で[5日6回本科]の人気が高まっている。25年は前者が2科と4科と英語・英語スピーキングの3種類、後者が国数2科となっている。いずれも25年に2倍を超えることはなさそうだ。

 神田女学園は、全体的に23年より24年が緩和している。志望者数はいずれも少ないとはいえ、25年入試は少し受験生が増えそうな気配を感じさせる。24年に一番多くの受験生を集めたのは、[1日午後特待生選抜2科選択]の39人で、実倍率は1.26倍だった。次いで、[1日1回2科選択]の32人で同1.03倍だった。他の入試回の受験生は十数人か1ケタなので、志望者が増えても25年に入試が厳しくなる要因は思い浮かばない。24年に実倍率1倍の入試回も複数あるなど、非常に受けやすくて受かりやすい学校である。

 文京区では、2科・4科型入試が中心の京華女子も健闘している。特待と一般の受験区分があるが、入試回ごとに合わせて見ていこう。24年に最も受験生を集めたのは177人で実倍率2.27倍の[1日午後]で、志望者も2倍増していることから、23年の同3.58倍を超えるかもしれない。他の入試回の志望者数はごく少ないので、25年の予想は難しいが、同じく116人で2.23倍の[1日]も人気は上がっている。同3.11倍の[2日午後]は2倍増、同2.49倍の[3日午後]は3倍増、同2.3倍の[4日特待特別]は7割増と志望者が増えて人気化している入試回も見られる。25年にどこまで倍率が上がるのだろうか。

 JR山手線「目白」駅すぐの好立地にある川村(豊島区)も志望者数が少なく、25年予想は難しい。24年の受験者数が27人で、実倍率1.23倍の[1日プレミアム]が最人気で志望者数も増加気味だ。5回あるセレクト入試は、十数人から1ケタの受験生が受けて、実倍率は1倍台半ば前後だった。25年も同様だろう。