フィルムがきれいにむけるなんて……
おじさんにとっては「感動モノ」

 それと、魚肉ソーセージを包むあのフィルムの進化もあって、これもジャンクフード感の軽減に一役買っている。かつての魚肉ソーセージのフィルムは剥がしにくく、それゆえに食べにくい食品であった。フィルムをむこうと悪戦苦闘するうちに魚肉ソーセージがフィルムにくっついて残ったり端の方で回収不能な塊になったりして、その塊に歯を立てて食らいつき、よだれでビショビショになりながらフィルムをしゃぶり尽くして、やっと本体を余すことなく食べられる仕様であった。食べる人に動物性の発揮を余儀なくする点が、非常にジャンキーである。

 しかし、最近のフィルムははがしやすくなっている。商品にもよるようだが、はがしやすさが謡われているものもある。筆者がよく買うものは、特に仕掛けのあるフィルムでないが、外包装にはがし方が描いてあり、それに従ってヘタの部分をハサミで切り落とせば、フィルムをきれいに、簡単にむくことができる代物である。

 また、魚肉ソーセージは災害時の非常食として注目を集めている。巨大地震などへの災害の警戒心と、それに併せて非常食の需要が高まって、この動きと魚肉ソーセージブームが連動した形である。近年は非常食も多様化してきているので、常温保存が可能で、調理せずにそのまま食べられる栄養いっぱいの食品ということで、魚肉ソーセージは強い。

 日本缶詰びん詰レトルト食品協会によると、「常温販売の魚肉ソーセージの賞味期限は製造後90~150日」とのことで、期限切れが近くなったらおいしく食べられるローリングストックとしての利用が見込まれているのであろう。