入試回で上下が見られる「桜美林」「多摩大聖ケ丘」

 幼稚園から大学院までそろう桜美林(町田市)も、最寄り駅からバス利用となる。教科型は2科が中心で四つの入試回、他に、文系総合と理系総合の2科を課す総合学力評価入試もある。全体的に緩和傾向だったが、志望者数はおおむね増加している。[1日午前2科/4科選択]は24年に90人が受験して実倍率2.25倍だった。志望者数が2割弱増えており、25年は少しハードルが上がりそうだ。

 ここからは2科で、[1日午後]は273人が受験して実倍率1.57倍、[2日午後]は138人で2.12倍、[3日午後]は102人で3.64倍だった。志望者数はそれぞれ微減、前年並み、4割弱増となっており、25年に[3日午後]は4倍に乗せるかもしれない。

 総合学力評価入試は[1日午前]と[1日午後]の2回実施され、受験者数139人と169人で、いずれも実倍率は1.48倍だった。一番倍率が低いこともあってか、志望者数は6割増と2.5倍増と大きく増えており、25年はいずれも2倍を超えるかもしれない。

 渋谷教育学園と同根の多摩大学附属聖ケ丘(多摩市)には五つの入試回がある2科・4科の一般入試の他に、リスニングと適性型の入試が設けられている。2科・4科の[1日1回]と[5日5回]は、24年の受験者数が87人と44人で、実倍率は2.35倍(23年1.49倍、22年1.79倍)と2.44倍(23年1.56倍、22年1.93倍)だったが、志望者数は7割減と5割増で、25年の情勢が読みづらい。

 2科の[1日午後2回]と[3日3回]と[4日午後4回]はどうか。受験者数が最多の219人と93人、87人に対して、実倍率は1.51倍と2.21倍、2.07倍となっている。志望者数は2割弱増と6割弱増と5割弱増といずれも好調で、25年には遅い入試回ほどハードルが大幅に上がりそうだ。

 多摩市や町田市に公立中高一貫校はない。[2日適性型]は75人が受験して実倍率1.47倍と一番低い倍率だったが、志望者数は大きく減っており、25年の狙い目入試回となりそうだ。[4日リスニング]は国算の基礎学力とリスニングが課されるが、受験者数は48人と少なめで実倍率は2.67倍と高めだった。こちらも志望者数が大幅減で、25年は相当緩和しそうである。