選抜機能重視の「玉川学園」「和光」
ここからはさらに、町田市にある3校を見ておこう。日本大学第三は、2科・4科のオーソドックスな入試を3回実施して240人を募集する。やはり日本大学系列校の緩和傾向を受けているものの、入試回によって上下がある。[1日1回]は24年に313人が受験して1.6倍(23年1.77倍、22年1.72倍)、[2日2回]は256人で2.64倍(23年2.2倍、22年2.32倍)、[3日3回]は154人で6.16倍(23年3.11倍、22年5.37倍)だった。志望者数を見ると、1回は増加傾向で25年に倍率は少し上がりそうだが、2回は微減、3回は減少傾向で、特に3回は25年に5倍台へ緩和が見込めそうだ。
大正生まれの似たもの同士は、系列の大学がご近所同士でもある。小田急小田原線「玉川学園前」駅からほど近い玉川学園の中高は、正門をくぐってから15分ほどキャンパス内を歩くことになる。入試は英語も含む教科型で、4科・2科・1科とバリエーションを持たせている。65人を募集する一般クラスは、[1日1回]が83人受験で実倍率1.98倍、[1日午後2回]が141人で2.17倍、[2日3回]が73人で2.52倍、[2日午後4回]が68人で2.83倍となっている。
付属の小学校6年生のMYP(MiddleYearsProgramme)から始まる国際バカロレア(IB)クラスは、中学校からは10人程度の募集で、[1日1回]は7人が受験して実倍率2.33倍、[2回]は3人受験で全員合格となっている。受験者数が少ないので25年の予想は控えたい。
最寄り駅の小田急線「鶴川」から路線バス、あるいは東急田園都市線「たまプラーザ」駅「あざみ野」駅「青葉台」駅などを結ぶ3台のスクールバスを運行している和光は、付属の小学校からの内部進学を含め、中学は4クラス152人だが、約60人を募集する。いずれも2科と面接を行う。24年の実績を見ると、[1日1回]は63人が受験して実倍率2.74倍(23年2.06倍、22年2.65倍)、[4日2回](24年は3日)は36人で2.77倍(23年3.6倍、22年3.71倍)となっており、定員充足には必ずしもこだわらず、選抜機能を重視している様子がうかがえる。[11日午後3回]は受験生がいなかった。