絶好調の「東洋大京北」「駒込」

 日本を代表する文教地区の文京区には、東京大学本郷・弥生キャンパス、東京科学大学湯島キャンパス、筑波大学、お茶の水女子大学といった難関国立大学をはじめ、日本医科大学や順天堂大学の医学部、日本女子大学や跡見学園女子大学といった伝統女子校、中央大学や東洋大学など私立人気校も多数集まり、こうした大学の付属校もそろう。

 国公立の難関ツートップは筑波大学附属(文京区大塚)と東京都立小石川中等教育学校(文京区本駒込)だろう。いわゆる私立御三家の合格を辞退して入学することも珍しくない。それぞれ2024年の実倍率を見ておくと、3.14倍と3.92倍(一般枠)となっている。

 男子生徒は高校に進むことができないお茶の水女子大学附属(文京区大塚)は男女間の難度差が著しい。24年の受験者数と実倍率で見ると、男子が52人で1.86倍なのに対して、女子は201人で5.91倍と大きな差がある。全体的に世田谷や小金井の付属校と同様、ここ数年緩和傾向が続く東京学芸大学附属竹早(文京区小石川)は24年実倍率が1.93倍と2倍を割っている。

 文京区の中堅校で絶好調が止まらない2校からご紹介していこう。東洋大学京北(文京区白山)は2科・4科の四つの入試回で120人を募集している。[1日1回]は24年に171人が受けて、実倍率2.71倍(23年3.21倍、22年4.9倍)と年々緩和傾向にあった。志望者数を見ると、3割半も増えている。25年は3倍に戻すかどうかが注目される。

 最多の308人が受験した[1日午後2回]は算国か算理の2科となるが、3.38 倍(23年5.1倍、22年3.85倍)と3倍を割ることがない。志望者数は1割半増で、25年は3倍台半ばを目指しそうだ。[2日3回]は171人で3.17倍(23年3.62倍、22年6.61倍)なのだが、志望者数が4割弱増えており、25年はやはり3倍台半ばを目指しそうだ。[4日4回]は142人で4.18倍(23年3.58倍、22年15.06倍)と変動が激しいものの、志望者数は1割強増で、25年は4倍台半ばまではいかないかもしれない。

 駒込(文京区千駄木)もまた、毎年のように人気が高まっている絶好調校の一つである。[1日1回]は2科・4科と適性検査型がある。公立中高一貫校との併願可能な後者は、合格後入学手続きの延納も可能ということもあり、人気がある。二つの入試区分を合わせた24年の受験者数は最多の394人で、実倍率2.9倍(23年2.36倍、22年1.73倍)と、中堅校人気を示す代表的な入試回となっている。志望者数は7割弱も増えており、25年は3倍超が確実な情勢である。国算2科の[1日午後2回]は、266人が受験して4.75倍(23年4.07倍、22年4.46倍)と結構ハードだが、志望者数は6割増で、こちらは25年に5倍乗せも視野に入っている。

[2日3回]には2科・4科の他に、「プログラミング」「自己表現」「英語(英国数3科)」という多彩な入試が集まっている。これらを合わせた24年の志望者数は163人で、3.08倍( 23年2.64倍、22年2.83倍)だった。志望者数はこちらも6割半増と好調で、25年には3割台後半を目指すかもしれない。[2日午後4回]は特待入試で、算数か国語の1科という受けやすい入試回だが、113人が受けて6.65倍(23年5.9倍、22年6.9倍)と受かりやすくはない。志望者数は4割半増で、25年は7倍乗せも十分あり得る。国数2科の[4日5回]は170人が受けて2.88倍(23年2.86倍、22年3.51倍)と一番受かりやすい入試回で、志望者数は3割増と他の入試回よりは穏やかな伸びなので、25年はたぶん一番受かりやすくなる。それでも3倍には乗りそうなのだが。