文京区私立共学トップ校「広尾学園小石川」
国公立優位の文京区内で、私立共学校トップに躍り出たのは、都立小石川と隣接する広尾学園小石川(文京区本駒込)だろう。前身の村田学園は商業系の女子校だったが、2021年から共学化し現校名になった。増築した新校舎がこの12月に完成したばかりだ。港区にある本校(広尾学園)とは、医進・サイエンスコースこそないものの、本科、インターナショナルコースのAG(アドバンストグループ)とSG(スタンダードグループ)という区分は共通のものだ。入試回も補完関係にあるため、併願需要もかなり見込める。24年に緩和したこともあり、志望者数は全体的に上昇している。
[1日1回]は「本科」と「インターナショナルSG」がある。本校の方は「本科」のみなので、午前中は小石川、午後は本校で「インターナショナルSG」を続けて受けることも可能となる。24年の受験者数はいずれも64人で、実倍率は5.33倍(23年5.18倍、22年10.26倍)と2.78倍(23年 4.33倍、22年4.5倍)だが、志望者数は1割強増と2割半弱増と上向きで、25年は5倍台半ばと3倍乗せを目指すことになりそうだ。
[1日午後2回]も「本科」と「インターナショナルSG」がそれぞれある。受験者数は165人と140人、実倍率は6.11倍(23年3.93倍、22年6.77倍)と5倍(23年6.41倍、22年7.05倍)といきなりハードルが上がる。志望者数はこちらも1回と同じ1割強増と2割半弱増となっており、25年はさらに狭き門となりそうだ。
[2日国際生AG回](本校は3日)は85人が受けて4.05倍(23年8.8倍、22年6.67倍)で、翌日の本校よりはだいぶ低いものの、志望者数は5割増なので、25年はほぼ同じ程度になるのかもしれないと思いきや、本校は2桁乗せもあり得そうな状況なので、やはり小石川の方がまだ受かりそうな気がしないでもない。
[3日午後3回]と[6日午後4回]も、「本科」と「インターナショナルSG」がある。「本科」同士を比べると、3回が177人受験で10.41倍(23年7.72倍、22年17.6倍)、4回が155人受験で 17.22倍(23年10.24倍、22年20.06倍)と尋常ではない高倍率だ。志望者数は8割増と2割半増であり、25年にはいずれも20倍を目指す展開になりかねない。
「インターナショナルSG」はどうか。3回は159人で7.23倍(23年12.8倍、22年8.06倍)、4回は125人受験で5.95倍(23年13倍、22年9.27倍)と、だいぶハードルは低いような錯覚にとらわれる。志望者数は2.2倍増と前年並みで、25年は3回が2桁乗せ確実の情勢といえそうだ。
本校は[5日3回]に同様の入試が行われる。3日以降に3回の受験チャンスとなっているものの、高い山を縦走するようなもので、受験生にとっては結構な試練である。