庶民の暮らし向きはここ数年急速に厳しさを増している。その背景にあるのが、長らく上昇してこなかった賃金と、足元で押し寄せる物価高だ。特集『総予測2025』の本稿では、庶民の暮らしに迫る現実をさまざまな角度から多数のビジュアルで紹介していこう。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
日本人の暮らしは戦後80年で逆戻り?
カネと暮らしのリアルをビジュアルで解説
思わず「もうええでしょう!」と叫びたくなってしまう、昨今の物価高。戦後の焼け野原から復興期、高度成長期までほぼ右肩上がりだった時代も今は昔。明るい未来は見通せず、日々の暮らしはだんだんと厳しさを増すばかりだ。
戦後80年、この間、「われわれの暮らし」はどう変わってきたのか。以下では、その様相をさまざまな切り口から図解で表した。
まず、現在の暮らしを直撃しているのが、1990年代以降の「失われた30年」の間に、庶民の“手取り”がほとんど伸びなかったことだ。
可処分所得の停滞は2000年代から長らく続き、足元でようやく賃上げラッシュが到来するも、70年代と比較すると上げ幅は見劣り。主要国の中でも、日本の給料は大きく後れを取っており、その凋落ぶりは顕著だ。
一方で、暮らしの負担は増すばかりだ。税金や社会保険料の負担は重く、その負担率はほぼ一貫して右肩上がりを続けている。少子高齢化の進展で公的年金制度は揺らいでおり、例えば国民年金保険料の年額も増加を続け、足元では月給の約4割に上る。
もちろん、暮らしの負担はこればかりではない。次ページでは、われわれ庶民の生活に押し寄せるさまざまな負担や生活レベルの衰退を示すデータを見ていこう。