操縦性、快適性
試しに「砂丘」を走ってみると…

 走りや乗り心地は軽の平均的なレベルで、特に「こういう道は苦手」という部分はなかった。サスペンションは柔らかすぎず固すぎず、乗り心地と安定性のバランスがあり、街乗り、高速、山岳路とさまざまシーンを問題なしに走れる。

 半面、SUVテイストには欠ける。普通の軽との差異はほとんどなく、走っている最中にクロスオーバーに乗っているという実感を抱くことはほとんどない。乗り心地も取り立てて良いわけではなく、平均的である。

 実は、乗り心地も初期型との顕著な変化が感じられた部分だ。初期型はサスペンションが柔らかく、荒れた道路でも姿勢変化が少ない、もっと大きなサイズのSUVっぽいテイストで、乗り心地も良かった。それと引き換えに山道での安定性をちょっと犠牲にしたという感じである。

 個性的だが弱点もある初期型と、オールラウンダーだが特徴のない改良型のどちらがいいか。多くのユーザーにとっては改良型のほうがしっくりくるだろう。

 クロスオーバーの仕様が生きるのは悪路だ。試しに、日本三大砂丘の一つである吹上浜の京田海岸に行ってみた。舗装が崩壊し、場所によっては左右輪の高低差が15cmにも達しようかという荒れた道だったが、最低地上高が190mmもあるとさすがに安心感がひと味違う。気兼ねなくボコボコの道を走ることができた。きっと、雪国でも威力を発揮することだろう。

最低地上高に余裕があるため荒れた道も気楽にドライブできた最低地上高に余裕があるため荒れた道も気楽にドライブできた Photo by K.I.
九州自動車道を走行中。ボンネット先端まで見切れるため車両感覚は大変掴みやすかった九州自動車道を走行中。ボンネット先端まで見切れるため車両感覚は大変掴みやすかった Photo by K.I.