そして、そうしたアウトプット環境はやる気だけではなくて、実際の英語学習の効果もアップさせてくれるのです。

 なぜなら、ドーパミンが、学習するときの集中力と記憶力をアップさせてくれるからです(注5)。

 つまり、心の3大欲求が満たされるような環境にいると、やる気が上がるだけでなく、脳の学習効果もアップする。

 とても一石二鳥な効果が生まれるのです。

 例えば、何らかの形で他の人たちと接する中でアウトプットできるような環境は、良質の英語学習のチャンスを与えてくれます。

 他の人たちとのつながりでドーパミンがジュワ!その中での学びでドーパミンがドバッ!まさにドーパミンラッシュで学習効果が上がるのです。

 実際にこれまでの研究でも、人とのつながりの中で言語が最も効果的に習得されるということがわかってきています。母親とのやりとりが言語の習得を促進したり、友達や恋人と話すことで学びのスピードが速まったり。

 さらには、みんなと気さくに喋れる社交的な人のほうが第2言語の習得が早いという報告まであります(注6)。

 やはり、効果的に言語を習得したいのであれば、他の人とつながれるアウトプット環境のネットワークを積極的に作っていくのが、近道なのです(私のようにシャイな皆さん、ご安心ください。次のセクションでは一人でもできるテクノロジー型の学習も解説します!)。

 であれば、どのような形でアウトプット環境を作っていけばいいのでしょう?

 手っ取り早いのが、英語を話す人たちがいるところに行って、友達になること。

 しかしこれは、ハードルが高いと感じてしまう人も多いかもしれません。いきなり外国の人たちがいるところに行っても自分から声はかけられないし、これから英語を始めるところなのに、友達作りなんてムリじゃないか?

 ごもっともなお悩みです。ではここで、想像してみましょう。自分がアメリカにでも留学したところを、自由に頭の中に描いてみてください。

注5 LaLumiere RT(2014) “5 - Dopamine and Memory, Edito(r s): Alfredo Meneses, Identification of Neural Markers Ac-companying Memory.” Elsevier. 79-94.
注6 Dewaele JM, Furnham A(1999) “Extraversion: The Un-loved Variable in Applied Linguistics Research.” Language Learning. 49(3):509-544.