会って渡すのはちょっと…
そんな人には「非対面」の選択肢も 

 また、近所といっても、徒歩圏内ですれ違うくらいの本当のご近所さんとのやり取りはあまりない。物品の受け渡し場所を自宅から少し離れた地点に設定するというやり方もある。「車で10分」や「隣の駅」くらい離れてしまえばもう実質的にご近所さんではないのであまり心配することはない。

 対面での受け渡しに不安がある場合は非対面でやっている人もいるし(オンライン決済で、品物をマンションの共用部分に指定の時間に置いておくなど)、最近各地にちょびっとできたジモティースポットに出品物を持ち込めば、相手の顔を見ることなく譲り渡しが可能である。

「商品がいやに安くて不安」は、本当にその通りだと思うし、私もまだそう感じている。だからたとえばブランドものが原価よりだいぶ安く出品されているような場合、不良品だったとしてもまあ納得できるくらいの価格までを購入範囲に留めるのがよろしかろう。そして当たるも八卦を楽しむのも醍醐味ではある。

 だが体感だと、ハズレの出品物は結構少ない。写真詐欺のようなことはあまり行われず、特に傷んだ部分の写真を載せてくれる出品者は、ちゃんと写真通りのそこそこ美品を提供してくれる。

 とはいえ、あくまで中古品である。出品されているあのベッドのマットレスは寝心地が良さそうだがものすごく不潔な環境で使われていたのかもしれないし……と、こういったことを考え出せばキリがないのだが、まあどうしたって考えてしまうものなのである。

 セカンドハンド特有の気持ち悪さはどうしてもある

 ただ、これは利用してみて画期的に感じたが、誰が使ったかわからない中古品が醸す不気味さ・不潔感は、ジモティー経由の中古品だとだいぶ軽減されるのであった。

 これはおそらく使用者の顔が見えてさらに言葉まで交わしているからに他ならない。完全な赤の他人より、一言でも交わした赤の他人の方が、自分にとっては心安い存在になるというのがよく自覚される。