
今月末に日米4回目の協議
6月石破首相訪米までがまずは山場
日米間のトランプ関税見直し交渉は、5月24日(日本時間23~24日)、3回目の訪米となった赤沢経済財政再生相と、ラトニック商務長官、グリア通商代表部(USTR)代表との間で行われた。
赤沢再生相によると、「前回以上に率直かつ突っ込んだやりとりができた」というが、依然、決着のめどが立ったといった報道は出てこない。
4月17日の交渉開始から一カ月。赤沢再生相は「交渉ごとはパッケージで成立するものだ。全部合意して初めて合意が成り立つので、どこまで進んだかということに意味はない」とし、以前から各論点の交渉の進捗度合いは明らかにされていない。ただ、「自動車など品目別関税の見直しがなければ合意はできない」との認識が示されるなど、日本側が見直しで最重視する自動車への25%関税撤廃などでは依然、両国間の主張の隔たりがみられた。
だが、このところ一部の国との交渉ではトランプ政権は軟化の姿勢がみられ、5月8日に合意した英国とでは、総合関税の一律10%は維持したものの、自動車に対する25%関税では、10万台までは10%の税率とされた。また、12日には、中国との間で、双方ともに115%関税を引き下げる(一部は暫定措置)ことが合意された。
EUに対して関税の引き上げを主張するなど、融和姿勢一辺倒ではないが、日本との間では、日本側が示しているとされるエネルギーや農産物の輸入拡大や防衛装備品の購入などに対して、米国側が相互関税の上乗せ分や自動車関税をどの程度、引き下げるかが最大の焦点となってきた。
石破首相は23日、トランプ大統領と電話会談を行い、6月中旬のカナダでのG7サミットの際に首脳会談をする見通しを語ったが、早ければこのタイミングが交渉のゴールとなる可能性もある。
今月末には4回目の協議が行われる予定で、交渉は今後約3週間が大きな山場となりそうだが、すでに日本企業の中では トランプ関税による収益悪化などの影響が出てきている。