「貿易自由化」という荒波を
乗り切る方法

 穀物が高騰したナポレオン戦争中から、農業革命と呼ばれる構造改革が進んでいたからです。その内容は、「政府公認の囲い込みによる農家の経営規模の拡大」と、「穀物生産に牧畜を組み合わせた四輪作法」という新しい農法の普及です。

 21世紀はじめの日本でも、TPP参加の是非をめぐる対立が続いてきました。

輸出拡大のため貿易自由化が避けられないのなら、競争に耐えうるように国内産業を強化すべきです。日本の農産物は価格競争力では外国産に負けていますが、味と品質、安全性では優れています。

中国のスーパーでは「食の安全」を求める富裕層が、割高な日本の農産物を競って買い求めています。農家の自助努力を妨げる一律の補助金ではなく、優れた商品を生み出す生産者への支援金や、経営規模の拡大を目指すべきです。

(次回掲載は、11月25日の予定です)


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