K字決算#08Photo:NatanaelGinting/gettyimages

1度目の緊急事態宣言が発令された2020年春、企業の業績は大きく落ち込んだ。そこからの回復度合いや資金繰りなどは企業によって格差がある。K字経済の世界で生き残る企業はどこか。特集『戦慄のK字決算』(全17回)の#8では、上場500社の“明暗”をランキングした。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)

2021年の世界経済成長率は6.0%に上方修正
IMFが危惧する経済回復の「危険な差」

 経済の回復は各国間および各国内で危険なほどの差が開きつつある――。

 4月6日、国際通貨基金(IMF)が公表した最新の「世界経済見通し(WEO)」。2021年の世界経済(実質GDP〈国内総生産〉)の成長率はプラス6.0%になるとの見通しで、1月時点の予測から0.5ポイント上方修正した。

 コロナショックに見舞われた20年の世界経済成長率はマイナス3.3%と、第2次世界大戦以降で最悪を記録した。そこから一転、21年は1980年以降で過去最高の成長率となる予測で、「不透明感の高い中でも公衆衛生と経済の危機の出口が見えてきた」とIMF経済顧問兼調査局長のギータ・ゴピナート氏は総括した。

 IMFのレポートによれば、年始の予想を上回る経済回復の背景にあるのはワクチン接種の普及や米国などの巨額財政支援、そして新しい働き方への適応だ。その一方で、ゴピナート氏は冒頭のように指摘し、格差の拡大に警鐘を鳴らした。

 実際に、ワクチン接種が進む米国の成長率の見通しは6.4%、英国は5.3%であるのに対し、海外と比べて新型コロナウイルスの感染者数を人口比では抑え込んでいるはずの日本は3.3%と先進国で最も低く、差が開きつつある。

 経済の回復の様相は、アルファベットになぞらえて表現されることが多い。急回復する「V字型」、回復に時間がかかる「U字型」、低迷を抜けられない「L字型」……。そして今のキーワードは「K字型」だ。

 コロナショックからの回復は一律ではなく、回復する勢力と落ち込むグループへと二極化し、K字を描く。勝ち組と負け組の“格差”が開いていくのだ。

 帝国データバンクによれば、3月を決算月とする上場企業のうち、21年3月期の通期業績の修正を発表した企業は802社(2月末時点)。このうち売上高の予想を上方修正したのは604社で、下方修正は198社。業績を修正した企業の約75%が上方修正していたのだ。

 業種別で見ていくと、回復度合いの格差が鮮明になってくる。製造業は上方修正が311社、下方修正が78社と約8割が上方修正だったのに対し、非製造業では293社対120社で、下方修正した企業の比率が高くなっている。

 K字経済の世界で生き残る強い企業はどこか。そこでダイヤモンド編集部は上場500社の“明暗”をランキングした。