戸田一法
平成は東日本大震災や阪神・淡路大震災など、未曽有の大災害が相次いだ。平成に発生した大災害を振り返りながら、あまり知られていないメディアの取材現場を紹介したい。

平成の期間、ライブドアや村上ファンド、西武鉄道などを巡る「証券取引法」違反事件が相次いで摘発され、国民の注目を浴びた。このような事件を担当するのは「特別調査課」で、別名「トクチョウ」と呼ばれる。

オウム真理教によるサリン事件、池田小学校の児童や秋葉原の歩行者天国を襲撃した事件など、平成も大量殺人事件が数多く発生した。平成の大量殺人は、捜査段階で供述した動機が明らかにされても「本当にそんなことが理由なのか?」と首をかしげざるを得ない事件が多かった。

国会議員には憲法で定められた「不逮捕特権」があり、そうそう簡単に逮捕されることはない。しかし、平成は議員の疑惑が常に取り沙汰され、頻繁に逮捕者が出ていたイメージがないだろうか。事実、昭和の半分以下の期間である平成は議員が逮捕・起訴されたり、在宅起訴されたりした議員が圧倒的に多かった。

平成も間もなく終わるが、いろいろな脱税事件が表面化した。脱税事件は「時代を反映する」と言われる。政治家や資産家、企業に切り込んだ平成の事件を振り返ってみたい。

ようやく、高校生の投球数制限について本格的に議論することになった。日本高等学校野球連盟は20日、大阪市で理事会を開き、4月に「投手の障害予防に関する有識者会議」を発足させることを決めた。

2011年10月に大津市の中学2年の男子生徒(当時13)が自殺したのはいじめが原因として、遺族が加害者の元同級生3人と保護者に慰謝料など約3850万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大津地裁の西岡繁靖裁判長は19日、「自殺は元同級生2人の暴行や人間関係が原因だった」としていじめと自殺の因果関係を認め、2人にほぼ満額の約3750万円の支払いを命じた。

テレビやインターネットの番組に「青汁王子」として登場していた健康食品会社「メディアハーツ」(東京)の三崎優太社長(29)が12日、約1億8000万円を脱税したとして、法人税法違反などの疑いで東京地検特捜部に逮捕された。

滋賀県彦根市の彦根署河津駅前交番で昨年4月、上司の巡査部長を射殺したとして殺人罪と銃刀法違反(発射、加重所持)の罪に問われた当時19歳の元巡査(20、懲戒免職)の男に対する裁判員裁判の判決公判が、8日午後3時半から大津地裁で開かれ、伊藤寛樹裁判長は懲役22年(求刑25年)を言い渡した。

日本大アメリカンフットボール部の選手による危険タックル問題で、警視庁は5日、選手にタックルを指示したとして刑事告訴されていた前監督と前コーチについて「傷害の意図を持ったタックルの指示は認められない」と判断し、東京地検立川支部に捜査結果を送付した。

兵庫県明石市の泉房穂前市長が2017年6月、道路の拡幅工事を巡り地権者との立ち退き交渉をしていた市幹部職員に暴言を吐いていたことが明らかになり、2月2日に辞職した問題。この問題を巡っては単純なパワハラ問題ではなく、不可解な経緯もあり、関係者が疑心暗鬼になっている。

昨年、富山市と仙台市で交番襲撃が相次ぎ、警察官2人と民間人の計3人が殺害された。今年になって再び、富山市の駐在所と東京・歌舞伎町の交番で警察官が襲われる事件が続発した。交番などで

あおり運転の末に乗用車でオートバイに追突し、大学生を殺害したとして、殺人罪に問われた大阪府堺市南区、中村精寛被告(40)の判決公判が25日午後3時から大阪地裁堺支部で開かれ、安永武央裁判長は「ぶつかれば死亡すると認識していた」として懲役16年を言い渡した。

30年続いた「平成」も間もなく終わる。この間、さまざまな殺人事件が発生し、多くは検挙されてきたが、未解決となっている事件も残っている。

2015年8月に大阪府寝屋川市の中学1年生の男女2人を殺害したとして、殺人罪に問われた山田浩二被告の裁判員裁判で大阪地裁(浅香竜太裁判長)は19日、殺意を認定。求刑通り死刑を言い渡した。

東名高速道路あおり運転事件で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪に問われた石橋和歩被告(26)に横浜地裁(深沢茂之裁判長)は14日、懲役18年の判決を下した。

4年前に起きた鹿児島県立高校1年生の男子生徒の自殺を巡り、原因を調査している県の第三者委員会は11月18日、背景にいじめがあったと認定した。実は、これに先立って行われた県教育委員会の第三者委員会は「(いじめを)裏付けることはできなかった」と結論付けていた。

日産自動車の経営再建の立役者であるカリスマ経営者、カルロス・ゴーン容疑者が19日、東京地検特捜部に逮捕された。日産側は特捜部と捜査協力の見返りに起訴を免れたり、罪を軽くしてもらう「司法取引」で合意していた。

またしても、高校野球指導者による「体罰」という名の暴力が表面化した。名古屋経済大高蔵高で、元プロ野球選手だった硬式野球部監督が部員に暴行しけがをさせた。

大阪で2015年8月、寝屋川市立中学1年の男女を殺害したとして殺人罪に問われた山田浩二被告の初公判が11月1日、大阪地裁で開かれた。山田被告は罪状認否の前にいきなり土下座し「申し訳ありません」と謝罪したが、争点の殺意については全面的に争う意向を示した。
