弁護士ドットコムニュース
職場の同僚女性が使うコップやハチミツ容器に自分の体液を入れたなどとして、器物損壊と建造物侵入の罪に問われた住宅メーカーの元派遣社員の男性に対して、岡山地裁は7月22日、懲役1年6カ月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。一見、性的な事柄が関係している事件のようにもみえるが、なぜ「性犯罪」として裁かれなかったのだろうか。刑事事件に詳しい岡本裕明弁護士に聞いた。

性行為中に女性が気づかぬうちにコンドームを外したという男性が、裁判所で有罪判決を受けたというイギリスでの事件が報じられ、先月話題になった。ステルシングは、望まない妊娠や性感染症に感染するリスクを高めるおそれがあり、被害者にとっては許しがたいものだろう。もし日本でステルシングが行われた場合、今回のケースと同様に「性犯罪」となるのだろうか。

サッカー日本代表として今年のアジアカップにも出場した佐野海舟さんが2人の知人男性らとともに30代の女性に性的暴行をしたとして、警視庁に不同意性交等罪で逮捕された。佐野さんの認否は明らかになっておらず、突然の事態にファンも衝撃を受けている。今後は起訴されたり、実刑判決を受ける可能性もあり得るのだろうか。弁護士が解説する。

顧客からの悪質なクレームや威圧的な言動などによって、従業員の就業環境が害される「カスタマーハラスメント」(カスハラ)が問題視されています。弁護士ドットコムでは、登録弁護士に、インターネット上の誹謗中傷の相談動向についてアンケートを実施しました。

カスタマーハラスメント(カスハラ)は、業種によって被害の特徴が異なることを、犯罪心理学の観点からカスハラ研究に取り組む桐生正幸・東洋大学教授と、日本カスタマーハラスメント対応協会の島田恭子代表がまとめた。流通やサービス業などの労働組合でつくる「UAゼンセン」が行った大規模調査を分析したもので、6月10日に参議院議員会館で開いた院内集会で報告した。

サンダル履きの高齢男性は、コンビニの雑誌・書籍コーナーから漫画誌を手にすると、指を舌で「ペロ」っとなめてから読み始めた――。このように雑誌のページをめくるだけでなく、指をなめてお札を数えたり、書類を仕分けたりするような行為や人は、「ペロリスト」や「指ペロ」などと呼ばれています。雑誌の「指ペロ」には法的な問題はないのでしょうか。

自動車を運転する人なら避けて通れないのが、運転免許の更新です。手続きは全国の免許更新センターや警察署でおこないますが、どういうわけか高圧的な態度の利用者に遭遇するケースがあります。免許更新の現場では「カスハラ」が慢性的におこなわれているのでしょうか。

参加できるのは罪を犯したことがある「前科者」のみ。職場や家庭では理解されない不安や悩みを語り合い、“先輩”に教えを乞う。そんな集まりがあると聞いて特別にまぜてもらった。

町長室で町長から性被害にあった――。5年前、草津温泉で有名な群馬県草津町の議員だった女性による告発は、MeToo運動の流れの中で国内外から注目を集めた。しかし、黒岩信忠町長(77)と性的関係を結んだと虚偽の告発をした元町議の女性ら3人に対して、黒岩町長が名誉毀損で訴えた裁判で、前橋地裁は今年4月、性交渉はなかったと認定し、町長の名誉を毀損したと判断したのだ。なぜ、こんなことが起きてしまったのか。

孤独死、自殺、殺人事件――。死者数が過去最多を更新し続ける日本では、こうした現場が今日もどこかで発生している。住民が悲惨な亡くなり方をした家は俗に「事故物件」と呼ばれ、不動産としての価値を落とすことにつながる。「多死社会」において避けられないこの課題に新たなアプローチで取り組むサービスがある。

新型コロナウイルスが感染症法の5類に移行され、さらに円安の影響もあり、観光地はにぎわいを取り戻しつつある。一方、地域住民の生活に配慮しない旅行客のマナーの悪さが目立つようになり、対策に動かざるを得ない状況も生まれている。日本有数の観光地・京都では、観光客によるトラブルに長年悩まされてきた住民らが次なる一手を打った。

多様な背景を持つ法曹を送り出すべく創設されたロースクール(法科大学院)。開校20年が経ち苦戦している状況は否めないが、一方で「ロースクールがなければ弁護士になっていなかった」という人材を呼び込んだ“実績”が存在することもたしかだ。イギリスから来日し、日本語を覚えることからはじめて10年かからず司法試験に合格したタム・ピーター弁護士もその一人だ。

新学期や新生活が始まって1カ月。SNSでは痴漢被害への不安や経験を訴える声が相次いでいます。実際にどのような被害があるのか。弁護士ドットコムの会員を対象にアンケートを実施しました。

潮干狩りシーズンを迎えつつある中、休日にハマグリやアサリを採りに行く計画を立てている家族もいるかもしれません。せっかくのレジャーを楽しむためにも、知っておきたいのがそのルール。潮干狩りでどのような行為をしたら問題になるのか。山崎喜代志弁護士に聞きました。

インターネットやSNSには、血の通わない匿名の投稿があふれている。顔の見えない投稿者の素性を知る機会は少ない。法的な手続きによって、誹謗中傷した相手を突き止めてみると、経済的な理由から損害賠償の支払いに応じないこともままある。不快な投稿を2000回以上も繰り返し、1人の動画配信者を活動休止に追い込んだことで、配信者と所属企業に大きな損失を生じさせた30代男性が取材に応じた。

海賊版サイト「漫画村」に漫画を無断転載されたとして、KADOKAWA、集英社、小学館の出版大手3社が漫画村の運営に関わっていたプログラマーの星野路実氏を相手取り、計19億2960万2532円(17作品対象)の損害賠償を求めて共同提訴した訴訟で、東京地裁(杉浦正樹裁判長)は4月18日、計17億3664万2277円の支払いを命じた。

救世主はロースクールだった。旧司法試験に7連敗、30代を目前にした時に開設されたローに入学し、仲間との学びを力に変えて弁護士資格を得た。失敗だったと批判されることも多いロースクール制度だが、今西隆彦弁護士にとっては、途絶えかけた夢をつないだ制度だった。

少年ジャンプをめくっていたベテランバイトが、ある日突然、参考書を読み始めた。佐々木良次弁護士はコンビニで働いていた24歳のころ、初めて勉強に目覚めたのだという。

4月から第一東京弁護士会の副会長に就任する橘真理夫弁護士(67期)は、今年がキャリア10年目。大規模単位会では珍しい「若手副会長」だ。ただし、年齢は65歳で新執行部最年長。もともとは外資金融大手のメリルリンチやモルガン・スタンレーの上級役員で、ロースクールを経て55歳で弁護士になった。自称「金権派」だった金融エリートは、なぜ「人権派」の道を歩むようになったのだろうか。

2025年の卒業に向けて、現大学3年生の就職活動が始まっている。弁護士ドットコムにも、「聞き直して次の改善につなげたい。こっそり録音していいのでしょうか」との相談が寄せられている。中には友人と共有したり、同じ企業を志望する人たちのためにSNSで公開したりしたいとの声もある。こうした行為は法的にどうなのか?竹花元弁護士に聞いた。
