個性的な新銘柄米が百花繚乱
コメ流通量ランキング

 下図に示す「50銘柄 食味・食感チャート」は、パナソニックの炊飯器の開発部門による研究のたまものだ。

 この部門には、知られざる少数精鋭部隊がある。女性社員6人だけで構成される“ライスレディ”たちだ。

 ライスレディは毎日3合のご飯を試食してしまうというツワモノぞろいである。コメの品種ごとのおいしさを最大限に引き出す炊き方を日々、研究しているのだ。

 開発された炊飯器は何と50銘柄を「炊き分ける」機能が搭載されている。品種によって炊飯工程の「釜の温度」や「スチーム加温」などを調整するのだ。実は、コメを生産・販売する農業関係者にとって、「炊き分け機能」付き炊飯器が普及する意味は小さくない。

 ライスレディでもある加古さおり・パナソニック主幹は「かつては、コシヒカリがおいしく炊ける炊飯器ならばコシヒカリ系統を含めた全体の8割のコメもおいしく炊けた」と言う。だが近年では、脱コシヒカリの潮流が生まれ、個性的な新品種が続々と登場した。

 下表はコメの流通量の伸び率をランキングにしたものだ。これは、消費者のコメの品種に対する客観的な評価だといっていい。先ほどの図と比べると、品種のトレンドの移り変わりが見て取れる。

 2~3年前にもてはやされたのは、甘くてもちもちしたコメだった。脚光を浴びた品種は「ゆめぴりか」「ミルキークイーン」だ。

 一方、最近の流行は「粒がしっかりして食べ応えがあり、どんなおかずにも合うコメ」(加古氏)だ。品種で言えば「雪若丸」(コメ流通量伸び率ランキング1位)や「さがびより」(同27位)である。

 片や、山形県がブランド化に成功した「つや姫」(同29位)や青森県の「青天の霹靂(へきれき)」(同16位)は、一昔前にはやった「甘い」系だが食感は「粒がしっかり」系といういいとこ取りを狙っている。