人間関係の悩みをなくす
「3つのポイント」
「人間の悩みの80%は、人間関係だ」
この言葉は、カナダ出身の精神科医、エリック・バーン博士が語ったものです。言い換えると、「人間関係の悩みがなくなれば、人生の80%はうまくいく」ということです。
だれもが人間関係に悩み、ときには苦しみ、病気になってしまう人さえいます。
その一方で、人間関係を円滑にし、楽しい毎日を過ごしている人もいます。
では、どうすれば「人間関係がうまくいく」のでしょうか? これは、いまの時代、たくさんの方々が抱えている大きな悩みです。
私自身も、人間関係に悩み、苦しみ、たくさんの方々と出会ってきたなかで、人間関係の悩みをなくすには、「3つのポイント」に目を向ける必要があることに気づきました(本書では、この「3つのポイント」を手に入れるための方法をご紹介します)。
【ポイント(1)】「だれにでもできるのに、1%の人しかやらないこと」
企業家最年少で韓国の大統領表彰を受賞したべ・ドンチョルさんは、1分でも遅刻しそうなときは、必ず相手に電話を入れます。
元首相の小泉純一郎さんは、食事のとき、相手に背を向けて割り箸を割ります(その理由は、本書にて後述しています)。
いずれも、やろうと思えばだれにでもできますが、実行できている人は、わずかに、1%程度でしょう。
松田聖子さんは、私に対して「ありがとう」を2回言ってくださいました。「お茶をいただいたら、『ありがとう』を言う」のは、だれにでもできることかもしれません。
ですが、レストランで見ていても、スタッフにお礼を言う人はとても少ないです。
だれにでもできることなのに、それをしていない人がとても多い。だからこそ、「2回」もお礼を述べてくださった松田聖子さんのことを素敵だと思い、いまも印象に残っているのです。
相手に向き合い「だれにでもできるかんたんなこと」だけれども、「1%の人しかやっていないこと」を習慣にしている人は、ほぼ100%に近い確率で、まわりの人の心を「あたたかく」するのです。
【ポイント(2)】「人から選ばれる人になる」
私は、多い年は、年に200回ほどセミナーなどに登壇していますが、受講者に決まってみられる「共通点」に気がつきました。
たとえば「1クラス30人」の研修を行うとき、6人1組にして、各テーブルを「島型」に5つ配置したとします。入室した順番に「好きな場所」に座ってもらうようにすると、不思議と「同じような人たち」のグループができます。
「元気よく盛り上がるテーブル」「静かに私の話を聞くテーブル」「年長者ばかりのテーブル」……など。
どうしてこのようなことが起きるのでしょうか。それはみなさんが、「好き」か「嫌いか」を瞬時に判断し、「人を選んでいるから」です。