「ブラック企業の渡り鳥」になる人の共通点
──そういった働き方から抜け出せない人たちの共通点はありますか?
やしろ 僕の持論なんですが、みんな、「根が真面目」で「自分に自信がめちゃくちゃない」タイプなんですよね。
とにかく上司の言うことを聞かなきゃ! とか、真面目すぎて疑問を持たないとか。あとは、自信がなさすぎて「こんな俺を拾ってくれたんだから尽くさなきゃ!」「どうせ俺はこの会社を辞めてもまともな仕事につけないし……」みたいに思考停止してしまったり。
だから、自分には自信を持っていいと思います。「この天才の俺様がこんな会社にいるのは時間の無駄だ! 転職!」とスパッと決められたほうがいいんじゃないかなと。この世界で自分ひとりくらいは、自分を信じていたいじゃないですか。周りにどれだけ「ダメだ」と言われようが、自分くらいは自分を信じてあげたほうがいいんじゃないかなって。自分に自信が1ミリもないと、周りに振り回されるイエスマンになっちゃうし。
もちろん、10年連続で半年以内に辞める、みたいなのはさすがにヤバいと思いますよ。なので、何が合わなかったのかな? だったら、自分は何なら向いてるのかな? と分析し続けて、自分に合う場所を見つける努力をする。それを続けていけば、いつかは自分の才能を発揮できる環境に巡り合えると思うんです。
僕の場合は、とにかく会社員として働くのが苦手で、続かなかったんですよね。なので、「だったら、自分でもストレスなく続けられるものってなんだろう?」って、いろいろなことに手を出しまくった。
だから、よく漫画を書くこととか、ブログを毎日更新し続けることとかについて、「努力し続けるコツは?」と聞かれるんですけど、「努力しよう」「続けよう」と思ったことは一度もなくて。「続けられるものを探していたら、漫画にたどり着いた」という表現が正しいです。だから、「うわっ、俺、これならストレスなく無限に続けられるわ」っていうものを探していけば、自分に本当に向いているものが見つかるんじゃないかなと。
「好きなこと」は必ずみつかる
──本当に好きなこと・向いていることを見つけるためには、どうしたらいいと思いますか?
やしろ たまに、「何も好きなことがないです」って、僕に言ってくる人がいるんですけど、「それはおまえが家にひきこもってるからだろう」と思うんですよね。日本って、ちょっと気になることがあったら、すぐに挑戦できる環境でしょう? それなのに、何もしないで「好きなことがないです」って言ってるのは、ある種、甘えだと思うんですよ。
だから、「とりあえず3年」という、誰が決めたかもわからない蜃気楼みたいなゴールを目指すよりも、「副業してこれだけお金を溜めたら辞めよう」とか、「勉強して、この資格を取ったら辞めよう」とか、自分でゴールを設定して、いろいろなことにチャレンジし続けるのが大事だと思います。
真面目すぎて自分を消費してしまっている人や、逃げたいのにどうやって逃げればいいのかわからない人たちも、封印された「逃げる」コマンドを表示できるようになれば、きっと自分に一番向いているものが見えてくるんじゃないかなと。
自分の人生は自分のものだし、会社で働くというのはその人生の選択肢の一つにすぎない。仕事を頑張りすぎることと、自分のスキルを磨くことは、必ずしもイコールではありません。「仕事が好き」ではなく「会社に忠誠を尽くす自分が好き」という危険な思考回路になっていないだろうか? 今回の本が、そんなふうに自分を見つめ直すきっかけになればいいなと思っています。
【大好評連載】
第1回 「ブラック企業の渡り鳥になる人」が陥るたった2つの共通点
第2回 「“働くこと”からバックれ続けた僕」が見つけた仕事の正体
第3回 「自分には何が向いているんだろう?」と思う人に“突然月収500万”になった僕が伝えたいこと第4回 世界一になったのに、どん底を味わった僕がみつけた「SNSの法則」