コロナ禍は業種間の格差を拡大させた。電気機器や情報・通信が好調な一方で、需要が減少した資源関連や空運は厳しい。特集『総予測2021』(全79回)の#19では、2020年の業種別騰落率や個別銘柄の上昇&下落ランキングから、21年の投資戦略を探った。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
バブル以来の29年ぶりの株高に沸く一方で
33業種のうち21業種の株価はマイナスで推移
29年ぶりの株高に沸く一方で、コロナ禍は業種間の格差を加速した。下表は2019年末から20年12月8日までの各業種の株価騰落率だが、実は東証33業種のうち、日経平均を上回って上昇したのは6業種だけである。21業種は株価がマイナス圏に沈んだままだ。
フィスコの小林大純チーフアナリストはこう指摘する。
「電気機器や情報・通信など5GやDX、EC化などに関連した成長期待の高い業種が、巣ごもり需要を取り込んで成長を加速。もともとあったデジタル化の流れが急激に進みました」
逆に厳しかったのが鉱業や空運、石油・石炭製品、銀行など。資源関連は需要減による価格急落に加えて、機関投資家のESG(環境、社会、企業統治)重視の流れも逆風となった。
では、個別にはどんな銘柄が堅調だったのか。20年の株価上昇率と下落率のランキングを、時価総額別に2種類作成してみた。21年の本命株を探すヒントがあるはずなので、ぜひチェックしてほしい。