アップルはiPhoneによって、通信とコンピューターの技術革新をけん引してきた。この企業が造る自動車が、単なる電気自動車(EV)であるはずがない。一体、アップルカーはどこまで異次元なのか?特集『アップル 車の破壊者』(全5回)の#2では、技術特許情報を基にアップルの自動車関連技術に迫った。(台湾「財訊」 林 宏達、翻訳・再編集=ダイヤモンド編集部副編集長 杉本りうこ)
アップルの自動車関連特許
100件以上の分析で異次元ぶりが判明
本誌(台湾「財訊」)は今回、米アップルが申請した自動車関連の特許100件以上を分析した。まずアップルは、自動車ガラス関連の特許を大量に申請している。その中には、コントロール可能なガラスというものがある。このガラスは多層構造になっており、その層の間に電子的に制御できる光学部品を挟み込んでいる。
これによって、一時的にガラスに色を付けたり、スモーク処理を施したりできるのだ。外部の視線を遮るためにスモークガラスにしたり、日中は外光と熱を遮り、夜は無色透明に戻して外の景色を楽しんだりといった使い方が可能だ。
またガラス関連では、人工知能(AI)を使い外部から差し込む光量を自在にコントロールする技術も開発している。夕暮れなど外部の光源が移動するときには、その移動に合わせて窓のスモーク位置も変わるといったものだ。