正体不明な組織の不調の諸症状、
いくつ当てはまるか?
あなたの会社でも、次のような正体不明な組織の不調の諸症状で、当てはまるものはありませんか。
□新規事業の立ち上げがうまくいかず、既存事業をジリ貧で継続している
□苦しい状況なのに、現場からは新しいアイデアがほとんど上がってこない
□業務のIT化を進めると言っているが、何ひとつ進んでいない
□職場に活気がなく、部署や階層間の連携も今ひとつ悪く、仕事を押しつけ合っている
□つまらないミスが連発し、契約をキャンセルされるなどトラブルが相次いでいる
□退職者が毎月のように出ている
□職場では部下が育たず、上司がプレイング・マネジャー化しているが、一向に数字は上がってこない
□経営者、人事、経営企画部門が改善に尽力するものの、各部門は本社のせいにして、誰も自主的に動いてくれない
こうした閉塞感=慢性疾患は一体どうして生じるのでしょうか。
これは、組織の成長の代償なのです。大手企業であってもベンチャー企業であっても経験する成長の副産物と言えます。
企業が成長すれば、今までの事業を繰り返す組織の慣性力と、新しい事業との間に方向性の食い違いが生じます。
この食い違いが積み重なると、大きな閉塞感として手のつけどころがわからない慢性疾患になっていきます。
閉塞感を放置すれば確実に組織は悪化します。
この閉塞感が時間をかけて生じてきた成長の代償ならば、それを一歩ずつ解消していく方向に歩みだす必要があります。着手は早ければ早いほどいいのです。
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経営学者/埼玉大学 経済経営系大学院 准教授
1977年、東京都生まれ。2000年、立教大学経済学部卒業。2002年、同大学大学院経済学研究科博士前期課程修了。2006年、明治大学大学院経営学研究科博士後期課程単位取得。
2006年、早稲田大学アジア太平洋研究センター助手。2007年、長崎大学経済学部講師・准教授。2010年、西南学院大学商学部准教授を経て、2016年より埼玉大学大学院人文社会科学研究科(通称:経済経営系大学院)准教授。
専門は、経営戦略論、組織論。ナラティヴ・アプローチに基づいた企業変革、イノベーション推進、戦略開発の研究を行っている。また、大手製造業やスタートアップ企業のイノベーション推進や企業変革のアドバイザーとして、その実践を支援している。著書に『他者と働く――「わかりあえなさ」から始める組織論』(NewsPicksパブリッシング)がある。
日本の人事部「HRアワード2020」書籍部門最優秀賞受賞(『他者と働く』)。2007年度経営学史学会賞(論文部門奨励賞)受賞。