序列激変#16Photo by Toshiaki Usami

弁護士業界の頂点に君臨し、常に追われる立場にある西村あさひ法律事務所。彼らはどのような戦略を描いているのか。特集『弁護士 司法書士 社労士 序列激変』(全19回)の#16では、今年4月に執行パートナーに就任した中山龍太郎弁護士に、東芝の調査報告書問題を含めて話を聞いた。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)

国内最多700人超の“最強”弁護士軍団
危機管理や事業再生…新市場を次々に開拓

――西村あさひ法律事務所には国内最多の700人以上の弁護士が所属していますが、やはり規模の追求は競争力を高める上で必要なのでしょうか。

中山 必ずしも規模だけではないと思っています。700人の構成率を見ると、実は日本人以外の弁護士が約15%を占めます。5年ほど前はこの比率が1桁台でしたが、非日本人が増えていることが最近の規模拡大の大きな要因といえるでしょう。

 絶対的な人数よりも、重要なのは中身です。今、日本でしか提供していないサービスを海外で提供するためには、国際対応力の強化が欠かせません。そのために今の(拡大)傾向がしばらくは続くだろうと思っています。

――国際対応力の強化に関し、例えばアンダーソン・毛利・友常法律事務所は外国法共同事業を開始しました。外国法の弁護士を受け入れるための戦略は。

 実質的な意味において、外国人パートナーが一定のチームを率い、クライアントにサービスを提供する体制を既に整えてはいます。さまざまな規制がある中でクリアしなければいけない問題もあり、形式として今後どう対応していくかは検討中です。

 アンダーソンさんがああいう形で踏み込まれ、非常に刺激になっています。われわれも勉強し、頑張らないといけないと思っているところです。

――では西村あさひの強みは一体どこにあるのでしょうか。