コロナ禍の前までは、海外から日本への不動産関連の投資といえば、ホテルなどの大型宿泊施設や投資用マンション、民泊物件などへの引き合いが強かった。東京五輪・パラリンピックや25年の日本国際博覧会(大阪・関西万博)を見込んで、旅行需要がさらに上昇するとの見通しがあったためだ。

 だがコロナ禍を受け、こうした一般的な物件の動きは今では鈍くなっているという。この中にあって投資熱が相変わらず高いのが温泉である。

 辻所長は「今は箱根、伊豆への引き合いが強いが、今後は大分県の別府や湯布院といった九州地方の物件にも広がるだろう」と見通す。こういった地方でも、海外投資家から見れば掘り出し価格の温泉旅館があるためだ。数年後には日本各地の温泉地で、外国人がオーナーという旅館が続出しているかもしれない。

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