読書で「知識のネットワーク」を広げよう

pha:それでもどうしても読めない、集中できない……という場合は、とにかく自分に合った本を見つけるのが先決じゃないでしょうか。自分に必要のない本は面白く感じない、というのはありますね。

──たしかに、「読まなきゃ」という気持ちが先走ってベストセラーを無理して読もうとするなど、合わない読書を続けている場合もありますね。phaさんは、自分に合う本をどうやって探していますか?

pha:本から本へとどんどん辿っていって、ネットワークを広げるようなイメージで読んでいますね。。本っていうのは1冊1冊が独立しているものではなく、本と本のあいだにリンクがあって、すべてが繋がっているものなんですよね。

 今回僕が書いた『人生の土台となる読書』は僕がこれまでの人生の中で読んできたたくさんの本の影響を受けてできあがっているし、僕が影響を受けた元の本たちも、また別の本の影響を受けている。まったくのゼロから作られた本というのは存在しない

 だからこそ、ネットワークの網目を辿るように、どんどん関連した本を読む、ということが可能になる。学生時代にハマっていた作家さんがいるなら、その人が影響を受けた作品を調べて読んでみる……などをやってみたらいいかも。

──1冊を読んでピンとこない箇所があっても、別の本を読んで理解できた、という場合もありますもんね。

pha:そうですね。だからこそ、今回の本でもなるべくたくさんの本を紹介したいと思って、約100冊をピックアップしました。メインで紹介したい本について語ったあと、それに関連してつながっている本もさらに紹介する、という感じです。

──今回紹介された100冊は、phaさんにとって「有無を言わさないほど面白い」ものばかりですか?

pha:はい、面白い本ばかりです。10代の頃に夢中になって本を読んでいた気持ちを取り戻させてくれるような、心の底から面白いと思えるものだけを集めました。

「自分も同じことを考えていたのに、どうして僕よりもずっとうまくこの気持ちを表現できるんだ……」と、共感しすぎて嫉妬してしまうような本もたくさん選びました。僕が選んだ100冊が、読書熱を再燃させるきっかけになってくれたら嬉しいですね。

【大好評連載】
第1回 自己啓発本を「読むべき人」「読まなくていい人」決定的な差
第2回 「成功できないのは本人の努力不足」が根本的に間違いである理由

「読書に集中できなくなった…」読書家だった自分を取り戻すためのリハビリ法pha(ファ)
1978年生まれ。大阪府出身。現在、東京都内に在住。京都大学総合人間学部を24歳で卒業し、25歳で就職。できるだけ働きたくなくて社内ニートになるものの、28歳のときにツイッターとプログラミングに出会った衝撃で会社を辞めて上京。以来、毎日ふらふらと暮らしている。シェアハウス「ギークハウス」発起人。新刊『人生の土台となる読書』(ダイヤモンド社)を上梓した。
「読書に集中できなくなった…」読書家だった自分を取り戻すためのリハビリ法